広島・坂倉 延長十二回決勝打に「個人的にもやり返せたので」 一塁起用続くも新井監督サポートで成長
「DeNA6-9広島」(25日、横浜スタジアム)
広島は2試合連続の延長戦を制し、貯金を今季最多タイの4に増やした。
デーゲームなのにすでに日は暮れていた。ナイター照明に照らされた坂倉将吾捕手は、表情を一切変えずに二塁上でたたずんだ。延長十二回に決勝の適時二塁打。「昨日は全部得点圏でダメでしたし、今日は個人的にもやり返せたので良かったと思います」と悔しさを晴らす打撃に、口を真一文字にしてうなずいた。
今季最長5時間16分に及ぶ死闘で勝利を呼び込んだ。6-6で迎えた延長十二回。1死二塁から三嶋の初球真っすぐを捉えた打球は、前進守備の右翼手の頭上を越えていった。「初球は振ろうと思っていた」。積極打法が奏功し、ゲームセットまで左翼スタンドを真っ赤に染め続けたカープファンを歓喜させた。
この日は捕手での起用だったが、前の試合までは3戦連続一塁でスタメン出場。慣れないポジションで23日・阪神戦ではゴロを捕球し、無人の一塁へトスしてしまう手痛いミスもあった。そんな中で試合前練習では新井監督と連日のように対話。「主にファーストのことを話している」。指揮官からのサポートも成長の一助となっている。
坂倉の2安打3打点の活躍もあり、チームは新井政権下で最多となる19安打、2日連続延長戦で勝利を飾る底力も示した。新井監督も「間違いなく戦いながら強くなってきている」と手応え。白星先行という結果を手にして、背番号31を始めとしたナインからは自信が漂い始めている。