通算100セーブ達成の広島・栗林 「おかしいくらい優しくて周りが見え過ぎている」 後輩の治療家が明かす人柄と性格
「DeNA2-4広島」(26日、横浜スタジアム)
祝・大台到達!!広島・栗林良吏投手(27)がプロ野球史上36人目の通算100セーブを達成した。通算178試合目での達成は馬原孝浩(元ソフトバンク)と並ぶ、日本人最速タイ記録。快挙達成の裏には愛知黎明時代に栗林の2学年下の後輩であり、今年1月の自主トレから右腕をサポートする治療家・音川燿佑さん(25)の存在があった。2人が新たに歩み始めた道のりに迫る。
きっかけは栗林からの1本の電話だった。昨年10月。愛知県内にある心体療鍼灸(しんきゅう)院で院長を務める音川さんのスマホが鳴った。「自主トレを手伝ってくれない?」。偉大な先輩からの要請。突然だったが「ぜひお願いします!」と二つ返事で引き受けた。
1月は午前中にトレーニングを手伝い、昼から21時半は自身の治療院で一般業務。それが終わると再び栗林のところに行って治療を行う。必然的に施術は深夜にまで及び、音川さんの当時の睡眠時間は3、4時間。それでも「キツいとか全くなくて、楽しみでしかなかった」と振り返る。
そう思わせる人柄が栗林にはある。音川さんは右腕の性格を「おかしいくらい優しくて周りが見え過ぎている」と表現した。ある日、広島の栗林邸まで治療に行った際のこと。施術を終えて邸宅を出ると、そこには一台のタクシーが。遠方から来てくれた後輩を気づかって栗林が手配したものだった。音川さんは「常に人のことを気にかけている。僕も学ぶことだらけです」と感謝する。
シーズンが始まった現在でも多忙の合間を縫って広島や遠征先に赴き、守護神の治療を続けている。「自分を追い込む人なので心のよりどころになりたい」と音川さん。2人の歩みはこれからも続いていく。(デイリースポーツ・畠山賢大)