広島・栗林「100回勝ててうれしい」 通算100セーブ!日本人最速タイ178試合目 大野、佐々岡らに次ぐ球団5人目
「DeNA2-4広島」(26日、横浜スタジアム)
広島・栗林良吏投手(27)がプロ野球史上36人目の通算100セーブを達成した。通算178試合目での達成は馬原孝浩(元ソフトバンク)と並ぶ、日本人最速タイ記録。球団では大野豊、佐々岡真司、永川勝浩、中崎翔太に次いで5人目となった。チームは今季2度目の同一カード3連勝で貯金は今季最多の「5」。勢いに乗って28日からの交流戦へ向かう。
27個目のアウトを奪うと、栗林はグラブを叩いて右手を上げた。緊張から解放され、仲間からの祝福に笑顔を浮かべてハイタッチ。この瞬間を味わうため、勝負の世界に生きてきた。100セーブ目でチームは同一カード3連勝。「100回勝てたという部分で、すごくうれしい」と率直な心境を明かした。
九回1死から筒香に右翼線二塁打を許し「何とか三者凡退でと思ったけど、打たれたので。本塁打だけは(避けないと)と思って切り替えた」。宮崎を投ゴロ、山本を右飛に片付けた。
日本人投手では史上最速タイの速さで100個目のセーブに到達。「(前監督の)佐々岡さんをはじめ、新井さんがいいところで起用してくれているおかげで、こういう数字が残っている」と感謝の言葉が口を突いた。
この横浜スタジアムでは21年の東京五輪で胴上げ投手になった。同年9月26日には、同じ舞台で球団新人最多のセーブ記録を更新。この日は両親が応援に訪れ「ハマスタではそういうの(節目)が多い。今回もマツダでセーブを取れず『もしかしたら』と。思い出深い球場かな」と笑った。
「不安な気持ちは現役を引退するまで、ずっと続くと思う。僕は元々、緊張するタイプ」。プロ1年目を終えた頃、そう語った。自身の失敗がチームの敗戦に直結する重責から逃げることなく、向き合ってきた。
キャリアを重ねても、緊張との向き合い方に変化はない。「緊張するからこそ、打たれた時に悔しかったりするし『もっとうまくなりたい』と思うと思っている。何も緊張しなければ悔しさもない」。成長したい、やり返したい。その思いで右腕を振り続けてきた。
昨春はケガでWBCを離脱したが、強化合宿の期間でパドレス・ダルビッシュのストイックさを肌で感じた。「それぐらいの気持ちがないと、長く野球を続けることができないと思った」。特に遠征時は今までより食事面に気を配るようになった。変えたことと、変わらなかったこと。その双方があって、新たな金字塔にたどり着いた。
「このまま九回(を投げる投手)のまま野球選手を終えられればベストだけど、そうはうまくいかない。1試合でも多くチームに貢献できるように」と謙虚に次なる段階に目を向けた。まだまだ、旅の途中。最高の仲間とともに、覇権奪回へと続く道のりを突っ走る。
◆通算100セーブ 広島・栗林良吏投手(27)が26日のDeNA戦で今季14セーブ目を挙げて達成。プロ野球36人目。初セーブは21年3月27日の中日戦。