広島の真価が問われるソフトバンク、日本ハム、ロッテと続くパ上位組との対戦 岡義朗氏の見解

 7回、頓宮へ押し出し四球を与え、ベンチでじっとグラウンドを見つめる新井監督(撮影・市尻達拡)
 7回を終え、黒原(左)を迎える塹江(撮影・市尻達拡)
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 「広島2-8オリックス」(30日、マツダスタジアム)

 広島が痛恨の逆転負けで連勝が5でストップした。2点リードで迎えた七回、得意の継投策に入ったが、矢崎以下が打たれて暗転。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「今の広島の力量が七回に集約されている。これからは真の強さが要求される」と語り今後、ソフトバンク-日本ハム-ロッテと続くパ・リーグ上位チームのと対戦に注目した。

 ◇ ◇

 広島はノーヒットで先制点を挙げ、宇草の反応のいい走塁で追加点を奪うなど、細かい野球で得点を挙げていたんだけどね。投手の九里がスクイズと犠飛で自ら2打点。マウンドでも粘りの投球でピンチをしのいでいただけに、もったいない試合になった。

 1点を大事に、必死で取りにいって作った2点のリードが1イニングの大量失点でパーになる。まるで勝てなかったころのカープが顔をのぞかせたようだった。本当の意味で、まだまだ安定感や強さは身についていないということだろう。

 ただ、ひっくり返されるには、それなりの理由があるということは理解しなければいけない。ひとつは守備だ。

 七回は頓宮の三塁内野安打が5点攻撃のきっかけになったが、高く弾んだ打球に対して小園が下がって処理し、間に合わなかった。前に出てファンブルしたのなら仕方がないが、下がってしまっては厳しい。

 このプレーを気にしていたのか、その後ボールから目を切るシーンもあり、ムダな失点につながった。

 (七回一死満塁から太田が放った右前打のシーン。右翼からの送球に対して、本塁が間に合わないと判断したカットマンが三塁へ転送したが、小園がこれに気づかず後逸。初回には併殺を焦って送球ミスも)

 本職のショートと違う難しさはあるだろう。カバーするベースも違えばフォーメーションも違う。覚えることは多いが、ここは勉強と思って自分を磨くしかない。ミスにとらわれて集中力を欠いてはだめだ。とにかくボールから目を切ってはいけない。

 もうひとつは石原のリード。先発した九里のときから変化球への偏りが強く感じられた。最後のイニングの六回になり、ようやく強い球を投げていたが、それまではカウント球も決め球も大半が変化球。九里の持ち味は確かに“緩い球”ではあるが、当然それだけでは苦しくなる。

 広島は七回から継投に入ったが、捕手石原の配球傾向に変化はなく、オリックス打線に読まれていたと思う。矢崎が一死一、三塁から福田に浴びた外角低めのフォークは初球で、明らかに狙い撃たれたものだ。

 その後、塹江らでつないだが、今度は走者をためての怖さが先に出て四球の連発。大量失点につながっていった。

 小園は4番打者として多くの打点を挙げているし、石原も打てる捕手としての魅力がある。発展途上の若いチームだけに経験不足は否めないが、その分伸び代も十分に感じるのは確か。

 反省材料は今後の糧。真の強さを求められるのはここからなので、何とかこの“カベ”を乗り越えてもらいたい。31日から始まるソフトバンクや日本ハム、ロッテとのパ・リーグ上位との対戦にも注目したいね。

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