広島 新井監督の貪欲采配で鬼門突破 島内に直ゲキ「ド真ん中めがけて投げてこい!」&1人1殺継投 貯金最多タイ9

 8回、自らマウンドへ行きナインを鼓舞する新井監督(25)=撮影・佐藤厚
 8回、マウンドでゲキを飛ばした後ベンチに戻る新井監督
 9回、決勝弾を放ち、笑顔を見せる菊池
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 「巨人1-2広島」(29日、東京ドーム)

 勝利への強固な意思表示が鬼門突破に結びついた。広島・新井貴浩監督(47)が1-0の八回2死満塁でマウンドに直接向かい、セットアッパー・島内颯太郎投手(27)にゲキを飛ばした。その後、一時同点に追いつかれるも、九回に菊池涼介内野手(34)が決勝の6号ソロ。4戦全敗だった東京ドームで今季初勝利を挙げ、貯金も今季最多タイの9とした。

 指揮官がベンチを立つ。向かった先は球審の元ではなく、マウンドだった。今季初めて試合中に白線を越えると、窮地のセットアッパーの背中を強く押した。「真っすぐもチェンジアップも、ド真ん中めがけて投げてこい!」。ナイン全体に波及した、この一戦を取りに行くという強い思い。ベンチからマウンドまでの“決意の36歩”が執念の勝利につながった。

 1-0の八回から登板した島内は1安打2四球で2死満塁のピンチ。新井監督からの“直ゲキ”後、ヘルナンデスに一塁適時内野安打を打たれて同点とされるも、最少失点で食い止めた。

 「監督が来て、いったん間をつくってくれた分、どうしても抑えたかった」と右腕。勝利後も表情は硬かったが、新井監督は「1点取られたけど、その後に4番の岡本をしっかり抑えた。追い越されなかったのが大きかった。彼に対する信頼は変わらない」と揺らがない思いを明かした。

 1点リードの七回にも先発・大瀬良が1死二、三塁のピンチを迎えたところで、強気の執念采配に打って出た。左の大城卓に対して塹江を送り込むと、一ゴロに封じ、すぐさま森浦にスイッチ。岸田を空振り三振に斬り、一人一殺継投がハマった。指揮官は「ブルペン陣はこっちも自信を持っている。あそこは『何としても点をやらないぞ』という意思表示でそういう起用をした」と勝利への渇望を隠さなかった。

 そんな思いが乗り移ったかのようにベテランが奮起。1-1の九回2死から菊池が決勝の勝ち越しソロを放った。低めの変化球に体勢を崩されながらも左翼席最前列へ運び、「バットで迷惑をかけているのでね。いつも(バットを)持っているだけになってしまっている。まぁ入って良かった」と背番号33。投手陣と野手陣が助け合う、理想の形での勝利となった。

 これでチームは今季4戦全敗だった鬼門の東京ドームで勝利をつかんだ。「本当に私もシビれたし、選手もシビれた中でよく頑張ってくれたと思う」と新井監督。薄氷でも、辛勝でもなんでも良い。不変のがむしゃらに白星を奪いにいくスタイルで首位の座をさらに強固なものにしていく。

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