広島・中村奨 〝一発回答〟で今度こそチャンスつかむ チーム長打力不足を打破ラッキーボーイに
広島・中村奨成外野手(25)が11日、12日からのヤクルト戦でのアピールを誓った。ここまで11打数1安打の打率・091だが、今3連戦のヤクルトは全て左投手が先発予定。チームが得点力不足に悩まされている中で、3年ぶりの一発をマークし、巻き返しにつなげていく。
豪快な“一発回答”で今度こそチャンスをつかみ取る。中村奨は、12日から本拠地で行われるヤクルトとの3連戦を前に「(本塁打を)打てたらもちろん100点満点の結果だと思う。自分自身、本当にアピールしていくしかない」と鼻息を荒くした。
4日に腰を痛めた宇草に代わって緊急昇格を果たすと、5日・中日戦では今季2度目のスタメン出場。第3打席で左前打をマークしたが、ここまで11打数1安打、打率・091、0本塁打、0打点となかなか数字につながっていない。自身も「状態が良くても結果が出ないとだめなので」と現状を十分理解している。
現在チームは4連敗中で、7月は1勝6敗と苦しい状況が続いている。その要因の一つに挙げられるのが長打力不足だ。7月に入ってから12球団で本塁打が出ていないのはカープのみ。10日には2軍からの推薦がない中でシャイナーを昇格させ、即スタメン起用(雨天ノーゲーム)するなど新井監督も現状打破を図っている。
迎えるヤクルト3連戦。相手先発は石川、高橋、山野と左投手が3枚並ぶ見込み。右打者の中村奨にとって、チームの7月初弾を放てば、これ以上ないアピールになる。「もちろんアピールのチャンスになる。右打者が打たないと得点力に結びついていかないですし」と力強く言い切った。
ここぞの一打だけではない。好機の演出にも貢献する。「走者がいたらきっちりかえして、先頭だったら塁に出てチャンスメークできるようにやっていければ良い」と場面に応じた打撃で存在感を示していく。
朝山打撃コーチも若鯉たちへ期待を寄せる。「若い選手は数字が出てなくてもチャンスをもらっているし、チャンスはいっぱい転がっている。ラッキーボーイ的な感じで3、4試合カンカンと打てば、監督もずっと使ってくれると思う」と重苦しい雰囲気の打開へ向け、救世主の出現を待ち望んだ。
シーズンは残り半分を切り、ここからの戦いはさらに熱を帯びていく。「とにかく得点に結びつくようなチャンスに絡んでいきたい」と中村奨。無駄な打席はない。一投一打に執念を燃やし、巻き返す。