広島・シャイナー 来日初弾 難敵・東撃った!大砲お目覚め 新井監督も最敬礼「エキサイティング」

 新井監督(左)に来日1号を祝福されるシャイナー(撮影・西岡正)
 7回、中越えに1号先制3ランを放つシャイナー(撮影・西岡正)
 7回、先制3ランを放ち、ナインに祝福されるシャイナー(中央)=撮影・西岡正
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 「DeNA0-3広島」(17日、横浜スタジアム)

 こんな試合が見たかった!広島の新外国人、ジェイク・シャイナー内野手(28)が来日初本塁打となる決勝弾を放ってチームを勝利に導いた。七回2死二、三塁で先制の1号3ラン。開幕8連勝中のDeNA先発・東を沈め、相手左腕に今季初めて黒星を付けた。チームも2位に浮上。横浜で上昇気流に乗り、前半戦のラストスパートに入る。

 打球がフェンスを越えた瞬間、三塁ベンチは総立ちになった。シャイナーは一塁を回ると、両手をたたいて喜んだ。どよめきに包まれたスタンドの視線をくぎ付けにした、値千金の一発。難攻不落の相手に土をつけ「打った瞬間、行ったと思ったのでうれしい」と、両手に残る感触を思い返しながら余韻に浸った。

 七回だ。無死二、三塁の好機を迎えるも後続が凡退して2死二、三塁。嫌なムードも漂ったところで東の143キロ直球を振り抜いた。チーム全員の思いを乗せた白球が、横浜の夜空に向かって伸びていく。待望の来日初本塁打は、中堅への3ラン。東が膝を突いて悔しさをにじませる中、仲間と歓喜を分かち合った。

 難敵との勝負に気後れはなかった。二回2死では空振り三振だったが、五回1死では左前打。「最初、三振してしまったけど打つべき球は振っていけていた。2打席目もいいスイングができて、『きょう1日、打てる』という自信はあった」と胸を張って振り返った。

 東は開幕8連勝中で横浜スタジアムでは11連勝中と無双状態だった。チームは22年5月8日での勝利を最後に9試合で5連敗中だった天敵。そんな相手左腕に今季初めて土をつけた一撃に、新井監督も「興奮しました。エキサイティングなホームランでした」と絶賛した。

 開幕2戦目の3月30日、ここ横浜での守備時に右手中指を負傷。PIP関節〓(U+525D)離骨折と診断され、翌31日に出場選手登録を抹消された。「(1軍に)早く戻って貢献したい焦りから、思うような結果が生まれなかった」と苦しい時期を思い返したが、心は折れることなく日本野球への順応に努めた。その一つが打撃フォームの変更だ。

 来日当初は足を大きく上げていたが、数週間前からノーステップ打法に変えた。足を上げると投球に遅れる傾向が目立っていたからで、足を上げなくなり「球の見極めも良くなり、強い打球を打てるようになった」と効果を実感。惜しまぬ努力とひたむきな姿勢が最高の結果につながった。

 チームも2位に浮上。19日からは甲子園に乗り込んで、阪神と前半戦最後の3連戦に挑む。「ここから(遅れた分を)返せるように」とシャイナー。殊勝な心を持つ新助っ人が真夏の戦いをさらに熱く盛り上げていく。

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