広島・小園 延長十一回決めたV犠飛! カープは甲子園63年ぶり6連勝

 11回、決勝犠飛を決め、ナインの出迎えに笑顔を見せる小園(撮影・田中太一)
 11回、犠飛を決めた小園を手荒く迎える新井監督(撮影・山口登)
 11回、先制の中犠飛を放つ小園(撮影・立川洋一郎)
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 「阪神0-1広島」(20日、甲子園球場)

 値千金の一打じゃ!広島・小園海斗内野手(24)が延長十一回に決勝犠飛を放ち、チームを3連勝に導いた。昨季苦しんだ甲子園で、球団記録に並ぶ1961年以来63年ぶりの6連勝を達成し、首位の座をがっちりキープした。前半戦は残り1試合。優勝した18年以来の首位ターンへ向け、視界良好だ。

 白熱の投手戦に終止符を打った。小園が大きく両手を上げ、全身で喜びを爆発させる。喉から手が出るほど欲しかった「1」がスコアボードに刻まれ、鯉党の大歓声が敵地に響いた。

 「振りにいって、なんとかコトを起こせれば良いかなと思っていた。良いところに飛んでくれて良かったです」

 両軍無得点で迎えた延長十一回。代わった富田から先頭秋山が四球を選ぶ。続く矢野のバントを富田が一塁へ悪送球。三塁を狙った一走・大盛の好走塁が中野の失策を誘い、無死二、三塁とし、野間が申告敬遠されたところで打席を迎えた。

 2球で追い込まれるも「何とか逆方向に強い当たりを打とうと思っていた」と3球目の高めの142キロ直球を左中間へ。浅めの位置で近本が捕球するも、三走・大盛がヘルメットが脱げるほどの豪快なヘッドスライディングで生還し、決勝犠飛となった。「(三走が)大盛さんだったので打席に楽に入れました」と激走を見せた先輩への感謝を忘れなかった。

 主軸としての出場が続いているが、チームに貢献できず苦しむ時期もあった。6月8日・ロッテ戦からは今季ワーストの12試合連続打点なしなど、チームが勝利しても表情が晴れない日が続いていた。

 そんな中、4日・阪神戦(マツダ)の試合終了後。ベンチ裏に引き揚げようとした小園を新井監督が呼び止めた。

 「『小さくならずに大きく構えて』と。『疲れも出てくるし、ずっと良い状態というのはないから。考えすぎずに打席に入っていきなさい』と言ってもらいました」

 主砲・末包が離脱してから、他球団からの小園へのマークはより厳しくなっている。「いろいろ考えすぎていたこともありましたし、どうしたらいいのかなと思っていたところだった」。持ち味である積極性を失いかけていた中、指揮官からの言葉で若鯉は勢いを取り戻した。

 チームは昨季、2勝9敗1分と苦しんだ甲子園で、63年ぶりの6連勝。1961年の球団記録に並び、首位もキープした。「ずっとやられっぱなしではだめ。チーム一丸となって必死に食らいついてやっていくだけです」と小園。前半戦は残り1試合。迷いのない鋭いスイングで、優勝した18年以来の首位ターンへ導いていく。

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