広島・床田 大谷翔平以来の球宴投手代打で右前打 岡田監督「新井監督の推薦で」 “主役”は「あるかなと思っていた」

 9回、代打安打を放ち、笑顔でベンチにガッツポーズをする床田(撮影・田中太一)
 9回、代打で右前打を放つ床田(撮影・伊藤笙子)
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 「マイナビオールスターゲーム2024・第1戦、全パ6-11全セ」(23日、エスコンフィールド)

 「マイナビオールスターゲーム2024」が23日、エスコンフィールドで第1戦が行われ、広島の床田寛樹投手(29)が九回にまさかの代打で出場し、日本ハム・田中正の155キロ直球を右前にはじき返した。16年の日本ハム・大谷翔平(現ドジャース)以来、10人目13度目となる投手の代打起用で結果を残し、球場を沸かせた。

 投げる前に打った!!そして結果を残した。どよめくスタンドを尻目に、床田の目はぎらついていた。「真っすぐだけ打とうと思っていた」。打席内で笑顔はなし。球宴に似つかわしくない表情で打席に立つと、狙い澄ました直球撃ちで快音を奏でた。一気に“主役”に躍り出た左腕は「打てると思ってなかったので、めっちゃうれしかったです」と興奮気味に話した。

 九回1死一塁から代打で登場し、日本ハム・田中正義と対峙(たいじ)。「同級生で大学の時からエグくて、対戦できたのはうれしかった」。真剣勝負で、まずは上体を反らして構えに入る強打者顔負けのルーティンを披露。初球を貫禄たっぷりに見逃すと、2球目は一塁線への鋭いゴロでのファウルとなり、3球目の155キロを捉えた。高く弾んだ打球が一、二塁間を破って右前へと抜けていき、ようやく白い歯がこぼれた。

 昨季は打率・275の成績を残し、今季もここまで30打数6安打で打率は・200。代打起用は「一応あるかなと思っていた」ところで、七回終了時に「オースティンまで回ったら(代打で)いくぞ」と声がかかった。「1人(塁に)出れば回ってくる感じだったので、『頼む!1人出てくれ!』と思いながら待っていました」。思いは通じ、そして快音につながった。

 試合序盤から、小園からもらったというバットマンのようなド派手なアイブラックを目の下に貼り付けてスタンバイするなど“アピール”を続けていた。代打起用を決断した全セの岡田監督は「(全パの先発)山崎投手がDHに入ってたんで、最後チャンスがあればと。新井監督の推薦で。ちょうど回って来たんで、いいヒットを見せてくれて良かった」と説明。起用が的中すると、ベンチで満面の笑みを浮かべた。

 この日は日本ハムの先発・山崎も「2番・指名打者」で起用され、初回に安打をマーク。床田は「セ・リーグにもいいバッターがピッチャーでいることを見せられたと思います」と胸を張った。

 第2戦は本業の投手として登板予定。「そこはもう無難に終われればいいかなと思います」。次は自然体で上がるマウンドで打者をねじ伏せる。

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