広島・矢野 走者一掃逆転三塁打から15人攻撃一挙9点! 秋山だ堂林だ坂倉だ猛打賞そろい踏み 新井監督「いいスタート」

 2回、無死満塁で走者一掃の適時三塁打を放ち喜ぶ矢野(撮影・金田祐二)
 2回、無死満塁で走者一掃の適時三塁打を放つ矢野
 2回、矢野の走者一掃の適時三塁打で生還し迎えられる菊池ら
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 「ヤクルト6-9広島」(26日、神宮球場)

 赤ヘルが後半戦白星スタートを決めた。2点を追う二回に矢野雅哉内野手(25)が無死満塁から走者一掃の適時三塁打を放って逆転。伸び盛りの若鯉が奏でた快音が打線爆発ののろしとなり、この回、打者15人の猛攻で2年ぶりに1イニング9点を挙げた。首位・巨人を1ゲーム差でピタリと追走。ここから再び上昇気流に乗っていく。

 三塁に到達した矢野は両手を大きく広げ、三塁ベンチに向かって拳を突き上げた。先制された直後の逆転打が、猛攻の合図になった。「狙い球を絞って打席に入れて、いい結果につながった」。価値ある一打で後半戦初戦の白星発進に大きく貢献した。

 2点を追う二回無死満塁で打席が巡った。山野とは初対決。「(データとして)曲がり球が多くなるというのがあったので、それを狙った」と攻略への青写真を描いていた。見送った初球スライダーがボールになり、軌道を確認。「イメージと似ていたので、イメージ通りに入れた」。2球目のスライダーを振り抜いた打球は右翼線への適時三塁打。走者一掃の逆転打で、試合の流れを引き寄せた。

 これが導火線となり、その後は6連打と打線爆発。野間と小園に適時打が飛び出して山野をKOした。7点目となる右前適時打を放った小園は、前半戦から数えて8試合連続安打。1ボールからの2球目を捉え「チャンスで自分らしく積極的な打撃ができました」と振り返った。この回、打者15人を送り込み、9安打を集めて一挙9得点。左翼スタンドはお祭り騒ぎとなった。

 1イニング9得点は今季最多で22年9月10日・ヤクルト戦(神宮)以来2年ぶり。1986年6月3日・大洋戦、2020年7月11日・中日戦で記録した球団記録の1イニング11安打には及ばなかったが、面白いように打線がつながった。新井監督も「いいスタートが切れたと思う。球宴中に各自が調整してくれて、今日の試合を迎えてくれた。それは見ていて伝わりました」と、うなずいた。

 逆転打を放った矢野にとって1試合3打点はプロ入り初。自慢の堅守には磨きがかかり、今季は課題の打撃でも成長した姿を示してレギュラーに定着している。前半戦最終戦となった21日・阪神戦でも3安打と躍動。この日も序盤の長打だけで終わらず、八回2死で右中間への二塁打とマルチ安打を記録した。

 「前半戦はピッチャーに助けてもらっていることが多かった。後半戦は野手が何とかカバーしてやろうというミーティングもあったので、それが今日出て良かった」と矢野。確かな成長曲線を描く若武者が、真夏の戦いをさらに熱くしていく。

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