広島・坂倉5の5 止まらん10打席連続出塁 球宴後絶好調も新井監督「元々これぐらいは打てる」
「阪神3-6広島」(9日、京セラドーム大阪)
乾いた打球音を、試合全体を通じて響かせ続けた。面白いように、野手のいないところに白球が飛んでいく。広島・坂倉将吾捕手(26)がプロ入り初の1試合5安打。価値ある働きで、チームの大勝を支え「率直にうれしかった。これだけヒットを打てて勝てたことが良かった」と充実の表情を浮かべた。
固め打ちの幕開けは二回だ。1死から村上の初球150キロを右前に運んで先制の口火を切った。続く三回は1点を追加し、なおも2死三塁のチャンス。村上のグラブをはじく投手強襲の適時内野安打で、ジワジワとリードを広げた。展開的にも“次の1点”が入った場面。主導権をグッと引き寄せた一打に「あそこから、乗っていけた。自分にとってもいいヒットだった」と納得顔だ。
これだけでは終わらなかった。先頭で迎えた六回は2番手・伊藤将から中前にはじき返し、七回は2死一塁で右前打でつないだ。九回は先頭で富田から中前打を放ち驚異の5打数5安打1打点。打ち出の小づちのようにHランプをともし続け、敵地で大暴れした。
前半戦は本来の打棒が影を潜めたが、後半戦は48打数23安打で打率・479と打ちに打ちまくっている。「ピッチャーと対峙(たいじ)できている。空間で勝負できていることが一番だと思います」と独自の表現を交えつつ、好調の要因を挙げた。
これで今季最長タイとなる7試合連続安打に10打席連続出塁。新井監督は「元々これぐらいは打てるバッターなのでね。今日もナイスバッティング」と称賛した。
「つないでつないで、どんどん後ろに回していけるように」と坂倉。8月戦線には、背番号31の存在が欠かせない。