広島・新井監督 早め勝負手実らず今季17度目の完封負け「亜蓮、相手投手の今日の状態を見て」 本拠地で仕切り直す

 ベンチから戦況を見守る新井監督。左は末包(撮影・飯室逸平)
 1回、2点を先制され、厳しい表情でベンチに戻る九里
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 「阪神4-0広島」(11日、京セラドーム大阪)

 広島が同一カード3連勝を逃した。新井貴浩監督(47)は四回2死満塁の場面で先発の九里亜蓮投手(32)に代打を送る積極策も実らず、今季17度目の完封負けを喫した。九里は3回4安打2失点で7敗目を喫し、阪神戦には2022年5月11日での白星以降、10戦勝ちなしの5連敗となった。2位・巨人に1ゲーム差に迫られたが、12日からは9連戦最後のカードとなるDeNA戦。本拠地で仕切り直す。

 ベンチの一番左端にいた九里は悔しさをにじませながら、うなだれた。いきなり許した2点が重くのしかかり、打席が巡った四回に代打を告げられた。「先制点を取られてチームを勝てるようなピッチングはできなかった」と自責の言葉を絞り出した。

 食らった先制パンチが流れを手放した。初回、1死三塁から森下に中前適時打。あっさり先手を奪われた。佐藤輝は打ち取ったが、大山には初球の浮いた直球を痛打されて、左翼フェンス直撃の二塁打。チームが2連勝した中で巡ってきたマウンドだったが、思い描いた通りに進まなかった。

 二、三回は無失点で切り抜けたが、四回は攻撃との兼ね合いもあって降板を余儀なくされた。新井監督は「亜蓮の今日の状態、また、相手投手の今日の状態を見て」と早めの決断に至った理由を説明。九里は阪神戦で今季3戦全敗、22年途中から10戦勝ちなしの5連敗と、負の流れを止めることはできなかった。

 指揮官は「本人も、モヤモヤを感じていると思う。次の登板に期待しています」と右腕の胸中を思いながら背中を押し、九里本人は「一つ一つのアウトを取れるように」と懸命に前を向いた。

 序盤に傾いた流れを引き戻したかった打線も、阪神・高橋の前に本塁が遠かった。四回は敵失などから2死満塁と攻めたところで、九里の打順で代打・石原を送った。

 高橋は3年ぶりの1軍先発登板。それも踏まえ「相手投手も100球ぐらいで代わるのではと感じていた。向こうもブルペンが強力。休養十分で来ると考えたところ『あと何回、大きなチャンスがあるかな』と考えた上で代打、いきました」と新井監督。早めに勝負手を打ったが、石原は空振り三振に倒れて無得点に終わった。

 六回からは相手の継投に封じられ、今季17度目の完封負け。高橋の投球に指揮官は「いいボールを投げていた」と印象を語り、朝山打撃コーチは「球の出どころが低いけど球持ちがいいので、スピードガンよりも速く感じるというのが(ある)。対策を考えていきたい」とリベンジに燃えた。

 同一カード3連勝こそ逃したが、昨季王者の阪神に勝ち越し。12日からは本拠地でDeNA3連戦が控えている。9連戦のラストスパート。一致団結で白星をもぎ取る。

 ◆阪神戦は10試合勝ちなし 九里は今季、阪神戦に3試合登板で3敗となった。23年も5試合登板で2敗。22年5月11日の対戦で勝利投手となって以降、阪神戦は10試合連続で勝ちがない。

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