広島・中村奨 3番起用に応えるプロ初2戦連続マルチ 4安打完封負けの中で存在感「自信がついた」

 9回、右中間へ二塁打を放った中村奨(撮影・市尻達拡)
 4回、中村奨は東に一飛に打ち取られる(撮影・市尻達拡)
 7回、右前打を放った中村奨(撮影・市尻達拡)
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 「広島0-6DeNA」(13日、マツダスタジアム)

 この男が打つと球場が盛り上がる。広島・中村奨成外野手がプロ初の2試合連続のマルチ安打をマーク。4安打完封負けと沈黙した打線の中で気を吐いた。

 6点ビハインドの七回。先頭で打席を迎えた。1、2打席目と打ち取られていた東との対戦。頭の中は冷静だった。「そろそろ外角にチェンジアップがくる」。前夜に直球を捉え、左翼フェンス直撃の適時二塁打を放っていたことを頭に置き、配球を分析。1ストライクから読み通りのチェンジアップを鮮やかに右前へはじき返した。

 この安打が今季、左投手から放った初安打となった。「今年、左(投手)をまるっきり打てていなかった。東さんから一本打てたのはちょっと自信がついた」。昨季、最多勝など複数のタイトルを獲得したリーグ屈指の左腕から放った一打は、大きなアピールとなった。九回無死は代わったウィックの直球を右中間へ運んで二塁打。得点にはつながらなかったものの、見せ場をつくった。

 3番起用は22年6月8日・楽天戦以来、約2年ぶり。チームが首位を走る中での抜てきに「正直プレッシャーです」と本音が漏れた。「チームの状況的に3番を打たせてもらうような立場でもない。ただ、きょうは結果が出せたのでよかった」。限られたチャンスをものにするため、必死にバットを振り続ける。

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