広島・菊池 逆転サヨナラ3ラン ベンチと一緒に描いた奇跡「『もうどんどん行け』という監督の意思表示」「感無量です」

 9回、サヨナラの3ランを放った菊池は、新井監督と笑顔を見せる(撮影・市尻達拡)
 チームメートが待つ歓喜の輪に飛び込む(撮影・市尻達拡)
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 「広島4-3DeNA」(14日、マツダスタジアム)

 広島が菊池涼介内野手(34)の劇的な逆転サヨナラ3ランで勝利した。2点を追う九回1死一、二塁で自身9年ぶりのサヨナラ本塁打。七回には史上78人目の通算300二塁打も達成した。この日は「ピースナイター2024」として行われ、広島にとって特別な一日を最高の白星で締めた。9連戦の勝ち越しも決め、ここからもナイン一丸で突き進む。

 両手を広げ、ヘルメットを脱いで歓喜の輪へ飛び込んだ。うねりのような歓声に包まれた本拠地が、大きく揺れる。菊池はチームメートと喜びを共有すると、新井監督と熱く抱擁。筋書きのないドラマを演出したヒーローは「感無量です」と喜びをかみしめた。

 最高のフィナーレは2点を追う九回に待っていた。1死一、二塁で1ボールから3球連続ファウル。5球目の149キロ直球を思い切って振り抜いた。「うまく(バットに)乗せられたかなという感覚が残っていた。いい風が吹いてくれたし、入ってくれて良かった」。高く舞い上がった打球は左翼フェンスを越え、15年5月22日・ヤクルト戦以来2度目のサヨナラ弾。ファンと平和への思いを共有した一戦で活躍し「特別な日に、こういう勝ち方ができて良かった」と振り返った。

 その九回は先頭・小園の二塁打から始まった。坂倉が四球を選んで一、二塁となり、中村奨に打席が巡った。犠打の選択肢もある中、中村奨はヒッティングで左飛。新井監督は「いろんなこと考えて『もう一気に行くぞ』と思って普通に打たせました」と説明。菊池はその場面を見つめながら、攻めに転じた。

 「奨成がバントじゃないということは『もうどんどん行け』という監督の意思表示だと思うんで。僕もそれを見て『よし、どんどん行ってやろう』と思いました」。言葉は交わさなくても、指揮官の意図をくみ取れるのは、菊池だからこそ。ベンチの考えを共有した上で劣勢をはね返した。

 七回2死では左越えに二塁打を放ち、通算300二塁打を達成。通算1625試合目での到達は、球団では前田智徳を抜いて最速となった。「1打席1打席、何とかしたいという気持ちでね、もう13年目になりますけど、そういうところは1年目から変わらない。それの積み重ねで、この数字になったかなって。まだまだ先もあるんで、使っていただいた方に感謝したい」と実感を込めた。

 新井監督も「最高の結果で応えてくれました。興奮しました」と絶賛。負ければ2位・巨人にゲーム差なしに迫られていた一戦を制し、9連戦も勝ち越した。「最後まで、ひた向きに皆さんの声援を借りて全力でプレーしていきたい」と菊池。勝負の8月、仕事人がチームを押し上げる。

 ◆自身2度目の劇弾! 菊池のサヨナラ本塁打は自身2度目で2015年5月22日・ヤクルト戦以来、3372日ぶり。また、広島の今季サヨナラ勝利は3度目で過去2度は【1】6月27日・ヤクルト戦【2】7月13日・ヤクルト戦。

 ◆通算300二塁打 広島・菊池内野手が14日のDeNA⑲戦(マツダスタジアム)の七回に山崎から左越えに放って達成。プロ野球78人目。初二塁打は12年7月10日の巨人戦で内海から。

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