広島・床田 力投実らず 悔やむ四球から同点打 ハーン乱調で痛恨逆転負け 新井監督「切り替えて」
「巨人4-1広島」(21日、東京ドーム)
首位・広島が2位・巨人に痛恨の逆転負けを食らった。先制直後の七回に先発・床田寛樹投手(29)が手痛い同点打を許し、八回にテイラー・ハーン投手(29)が決勝の勝ち越し3ランを被弾した。巨人とは再び1ゲーム差に詰められたが、新井貴浩監督(47)は「切り替え」を強調し、次戦に視線を向けた。
七回を投げ終えた床田はベンチで拳を握りしめていた。何度も天を仰ぎ、顔をゆがめる。新井監督から肩をたたかれ、力投をねぎらわれても表情は晴れなかった。悔しすぎる7回5安打1失点。責める者は誰もいないが、痛恨の同点打を浴び、大事な首位攻防3連戦の2戦目で勝利を引き寄せきることができなかった。
「フォアボールですね。あそこだけかなと思います」
悔やんでも悔やみきれなかったのは1-0で迎えた七回先頭で坂本に与えた四球だった。坂倉の一発で先制した直後のイニングの入り。「あんまり気にしないようにとは思っていたんですけど、結果だけ見れば慎重になっていたと思われると思うので…。そこですかね」。グリフィンとの息詰まる投手戦で1点の重みは十分理解していた。虎の子の得点を守るため、知らず知らずのうちに慎重になっていた。
その後、犠打などで2死二塁となり、19歳の浅野に左中間を破られる同点の適時二塁打を献上。この日は直球に力があり、3度の得点圏に走者を置くピンチをしのいでいたが、最後の最後で辛酸をなめることになった。
流れが相手に傾くと、ハーンもその波にのまれた。八回から2番手としてマウンドに上がるも無死二、三塁から岡本和に決勝の勝ち越し3ランを被弾。ここまで21試合に登板し、防御率0・43を誇っていた鉄壁左腕の誤算で7月28日・ヤクルト戦以来の逆転負けとなった。
新井監督は先発・床田について、「ここ最近では一番良かったですね。ボールの切れもそうだし、コントロールも。テンポも良かったと思います。いいボールがいっていたと思います。ナイスピッチングでした」とコメント。ハーンに対しても「いつもいつも0では帰って来られないからね。今日は相手の4番が上回ったということだと思います」と前を向かせた。
この1敗で、先制した試合での連勝は10で止まり、今3連戦中の優勝マジック点灯の可能性は消滅。巨人の意地の前に屈した形となったが、指揮官は「またしっかり切り替えて明日の試合に臨みたいです」と力を込めた。すぐにやってくる次なる戦い。チーム一丸で首位の意地を見せつける。