広島執念逆転勝ち! 九回小園が戸郷撃ち同点打! 十回矢野がV打「154キロを打ったことがないと思うので、びっくり」

 10回、左前に決勝打を放つ矢野(撮影・佐藤厚)
 9回、同点打を放つ小園
 東京ドーム最終戦で勝利し、歓声に応える新井監督
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 「巨人1-2広島」(22日、東京ドーム)

 これが首位のチームじゃー!!広島が驚異的な執念で劇的な逆転勝利をつかみ取った。1点を追う九回に小園海斗内野手(24)の適時打で同点に追いつくと、延長十回に矢野雅哉内野手(25)が決勝の勝ち越し適時打を放った。2位・巨人とは2差に拡大し、首位攻防3連戦は2勝1敗で勝ち越しに成功。最高の弾みをつけて地元・広島で次は阪神を迎え撃つ。

 打球が外野へ抜けた瞬間、三塁ベンチは総立ちとなった。新井監督が真っ先にベンチを出て人さし指を頭上に突き上げる。みんなの視線は一塁ベース上の矢野に向いていた。同点の延長十回に決勝の勝ち越し適時打。バットで主役に躍り出たヒーローは両拳を握りしめ、力の限りの雄たけびを上げた。

 「本当にもう僕が(走者を)をかえすしかなかった。なんとかかえそうと思って打ちました」

 これが首位に立つチームの底力だ。土壇場でも動じない。むしろ窮地がチームを燃えさせ、反発力を増幅させているようだった。九回に1点差を追いつくと、1-1で迎えた延長十回は1死から菊池が四球を選び、次打者の代打・秋山が右翼への二塁打。ベテラン2人が好機を演出すると2死二、三塁で打席には25歳の矢野が立った。

 マウンド上には豪腕・ケラー。いつもよりもバットをさらに短く持った。高めを執拗(しつよう)に攻められて追い込まれるも、最後は7球目の高めに浮いた154キロをコンタクトして値千金の勝ち越し左前適時打。「あそこにしか投げてこないと思ったので、狙って打った。自分でも154キロを打ったことがないと思うので、びっくりしています」と声を弾ませた。

 完封負け目前だった。土壇場で魅せたのは、もう1人の若き主軸だった。0-1で迎えた九回。敗北が頭にちらついた中で、1死二塁の好機を迎えると小園が、ここまで快投を許していた相手先発・戸郷に追い込まれながらも、外角低めに沈むフォークを振り抜き、中前への起死回生の同点打。「その前の打席もやられていたので、なんとかしたいと思っていた。チームのみんなの勝利だと思います」。今宵の“逆転のカープ”を生み出したのは紛れもなく、伸び盛りの三遊間コンビだった。

 これでチームは2位・巨人を再び2差に突き放し、首位攻防3連戦は2勝1敗で終了。新井監督は「自分たちのチームは戦いながら強くなっていかないといけないと言っているけど、本当に戦いながら強くなっていると、本当に実感した試合だった」と熱戦に大きな手応えを感じ取った。

 23日からは3位・阪神との本拠地3連戦が控えている。地元に帰り、優勝へのうねりをさらに大きなものにしていく。

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