広島・末包V撃 4番が決めた 8月連敗なし!勝ち越し決定 最短27日にもマジック点灯
「広島2-1阪神」(24日、マツダスタジアム)
頼りになるんじゃ!広島・末包昇大外野手(28)が決勝の2点適時二塁打を放ち、チームを勝利に導いた。三回2死二、三塁で右中間を破り、シーズンの自己最多打点を更新した。チームは8月の月間勝ち越しを決め、2位・巨人との差を2ゲームでキープ。優勝マジックは最短で27日に点灯だ。
主砲の一打に本拠地が沸いた。右中間を真っ二つに切り裂き、末包は悠々と二塁へ到達。頭上で手をたたき喜びを表現した。鯉党が求めていた一打。勝負どころで頼りになる男が試合を決めた。
「自分がかえして、という思いで打席に立った。点が取れてよかった」
両軍無得点の三回だ。秋山が左前打で出塁。その後、2死一、二塁となり打席を迎えた。暴投で二、三塁となり、好機は拡大。2球目のスライダーを空振りし、「最初は本塁打を狙っていたんですけど、逆方向にヒットを打とう」と強引さを捨てた。門別の甘く入った直球を右中間へ。決勝の2点適時二塁打で、昨季の自己最多27打点を更新する今季28打点となった。
7試合連続で4番に座るが、つなぐ気持ちは忘れていない。「4番というよりは、3番、5番をうまくつなぎ合わせたい」。好調を維持する小園、坂倉とともにクリーンアップを形成し、打線を牽引している。
決勝打を振り返った新井監督もにっこり。「逆方向にいいタイムリーだった」と賛辞を贈り、「打席内で微調整できる余裕がある」と成長を実感し、目を細めた。
末包の調整が分かりやすく表れた試合があった。10日の阪神戦。相手先発は、それまで通算10戦8敗と苦戦していた大竹だった。「4番・右翼」で出場し、迎えた第1打席。前日までと大きく違う構えで打席に入った。スタンスを狭め、バットは顔の前に立てる。その姿はヤクルト・サンタナを思い起こさせた。
過去に打撃を参考にしていると名前を挙げていた助っ人。真意を聞くと「大竹対策ですよ」とにやり。自身は3打数無安打に終わったもののチームは勝利。「少しでも結果が出るようにと考えて」と変化を恐れず、ベストを探し続けている。
25日はその大竹と今季5度目の対戦。前回対戦で土はつけたものの、本拠地では6連敗中とまだ借りがある。「早めに(マウンドから)降ろしたい。しっかり仕事ができれば」と静かに闘志を燃やした。
チームは8月を13勝6敗1分けとし、早くも月間勝ち越しを決めた。今月、連敗はない。「1試合1試合勝つためにやっている。全員が勝つという雰囲気がでてきている」と末包。好調なバットで6年ぶりの頂へ導いていく。