広島・新井監督 上位3チームで〝ひとり負け〟も「最後までいい攻撃ができた」 4度繰り返し「勝負はまだ先」

 「広島5-7阪神」(25日、マツダスタジアム)

 広島が逆転負けで8月に入って初となる8カードぶりの負け越しを喫した。この日は上位3チームで“ひとり負け”となり、2位・巨人とは1ゲーム差、3位・阪神とは4差になった。痛い1敗に思えるが、新井貴浩監督(47)は攻撃面での終盤の粘りをたたえ、「勝負はまだ先」と悠然と構えた。

 負け方に点数があるとするならば、この日の敗戦はかなりの高得点だろう。優勝を争う上で1敗もしたくない状況に変わりはない。ただ、終盤に見せた追い上げは、見る者に再逆転への希望を抱かせるには十分だった。新井監督は「最後まで諦めずにいい攻撃ができたと思います。来週につながる、そんないい攻撃だったと思います」と負けを気にするそぶりはなかった。

 2-7で迎えた七回に打線が意地を見せた。先頭・矢野が相手失策で出塁すると、石原が左前打。ここで代打・堂林が石井から中前適時打でまず1点を返した。今季代打初安打が流れを再び引き寄せる一打となった堂林は「一方的なゲームになりそうなところで、一本が出て良かったです」と振り返った。

 その後、野間の一ゴロ間に、もう1点を返すと、2死三塁から小園が桐敷の内角直球に詰まりながらも中前に落とす適時打を放った。これで5-7まで詰め寄ることに成功。八回も無得点に終わったものの、ゲラから1死一、二塁と一発逆転の好機をつくった。

 「タイガースもブルペンが強力だけど、3点を返したし、『最後まで絶対に諦めない』という野手の気持ちも伝わってきた」と指揮官。相手の勝ちパターンの投手たちを追い詰めたナインの姿に目を細めた。

 この日は大竹から初回に2死満塁の好機をつくり、菊池の2点適時打で幸先良く先制。二回以降は左腕に立ち直りを許したものの、新井監督は「各打者、初回からいい反応をしていたし、いい感じだったと思います」と評価。これで左腕にはマツダスタジアムで通算7戦7敗となったものの、「もう苦手意識はないというふうに感じます」と内容に目を向けた。

 2位・巨人から3位・阪神へと続いた上位との6連戦は3勝3敗で終了。新井監督は「周りの方が『この1週間が勝負だ』とか『今後を占う』とか、そう言われましたけど、自分はそんなふうに思ってないので」と余裕すら感じさせる笑みを見せ、「勝負はまだ先だと思う」と4度も繰り返した。27日からは4連敗中のバンテリンドームで中日との3連戦。終盤に見せた勢いで鬼門を突破してみせる。

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