広島・新井監督「ミスはあるんでね。明日取り返す」 名手・矢野まさか失策から逆転負け巨人と再び0差「全体的に硬さが」
「中日2-1広島」(27日、バンテリンドーム)
広島が守備の乱れから痛恨の逆転を負けを喫し、バンテリンドーム5連敗となった。四回に矢野雅哉内野手(25)が2度にわたって遊ゴロを処理できずにピンチ拡大を招き、逆転を許した。これでチームは7月28日以来の連敗となり、2位・巨人とのゲーム差もなくなった。新井貴浩監督(47)は野手陣の「硬さ」を指摘し、積極的な姿勢の再徹底を呼びかけた。
やはり鬼門だった…。先制したのもつかの間、まさかのプレーの連続が、ここがバンテリンドームであることを思い起こさせた。のみ込まれたのは名手の遊撃手・矢野だった。「本当に僕のせいで負けた」。らしくない守備の相次ぐミスで逆転劇を許し、同球場で悪夢の5連敗となった。
魔物でも潜んでいるかのように打球がグラブからはじかれた。1点リードで迎えた四回。1死から細川の高く弾んだゴロを矢野がグラブに当てながらも、後ろにそらして出塁を許した(記録は内野安打)。その後2死一塁でのカリステのゴロも再び矢野がファンブル。攻守交代のはずが一転してピンチ拡大となり、森下が続く石川昂に右翼線へ逆転となる2点適時二塁打を浴びた。
ここまで数え切れないほどの好守でチームを救ってきた矢野のミス。新井監督は「ミスはあるんでね」と切り出し、「それを明日取り返す。ミスは付きものだから、それは本人も分かっていると思うから、それをまた明日取り返してもらいたい」と、責めることはなく、反発力に期待した。
ただ、いつも前向きな言葉を並べる指揮官は野手陣の動きに変化を感じ取っていた。「全体的に硬さが見えたね」。その象徴的な場面が矢野の拙守であり、犠打を5度も試みて、1度しか走者を次の塁に送れなかった攻撃だろう。相手先発は天敵・高橋宏。1点勝負を想定していた中での手堅い野球は相手を揺さぶったとも言えるが、1点に抑え込まれたという現実は重くのしかかった。
7月28日以来、1カ月ぶりの連敗。前戦の25日・阪神戦(マツダ)も2点リードの三回2死から近本のゴロを捕球した菊池の送球を一塁手・坂倉が後逸。記録は内野安打だったが、そこからの4連打で逆転負けを喫した。
投手力を含めた守備力を武器に勝ち進んできた今季。優勝争いを初めて経験する選手も多い中、新井監督は「守りに入るんじゃなしに、どんどんどんどん攻めていってもらいたいなと思うね。自分たちがどういう野球をして今この位置にいるのか。もう一回みんながしっかり肝に銘じて、また明日臨んでいきたいと思います」と言葉に熱を込めた。2位・巨人とは0差。新井野球の徹底が正念場を突破する鍵となる。