広島・床田 自己最多タイ11勝目「勝てる試合は全部勝ちたい」バンテリンでの連敗止めた
「中日1-2広島」(28日、バンテリンドーム)
バッテリーの奮起で首位を死守じゃ!!広島の先発・床田寛樹投手(29)が7回1/3を7安打1失点の好投で昨季の自己最多に並ぶ11勝目をマークした。女房役・坂倉将吾捕手(26)の決勝逆転2点適時打もあり、連敗は2でストップ。負ければ首位陥落の可能性もあった中、鬼門・バンテリンドームでの連敗も5で止め、再点火への足掛かりをつかんだ。
降板時の床田は少し悔しそうな表情を浮かべていた。続投した1点リードの八回に1死一塁となったところで降板。球数は88球で完投は意識になかったというが、「八回は投げきりたかったなと思いますね」とポツリ。次回登板への“宿題”も残しながらの4登板ぶりの白星となる11勝目はさらなる成長を予感させるものとなった。
「いつも通り」の投球ができた。二回先頭でカリステにバックスクリーンへ先制ソロを被弾するも、「切り替えて投げた」。単打は許容範囲。計7安打されながらも、六回は1死一、三塁で川越を遊ゴロ併殺打に仕留めるなど、要所を締める投球を展開した。自身5戦ぶりに無四球で乗り切り、「フォアボールがなかったのが良かった。先頭が何回か出しましたけど、その後でしっかり踏ん張れた。あとは長打がホームランの1本だけだったことが良かったと思う」と勝因を挙げた。
直近は「いつも通り」ができていなかった。前回登板の21日・巨人戦は先制してもらった直後の七回に先頭への四球から同点打を許し、チームも敗戦していた。白星のなかったこの1カ月は、「自分が先に点を取られたり、守り切れないというのが多かった」。強力先発の一角として責任を感じる部分もあった。
元々夏場のスタミナ面に課題がある。そこで今年は『チケット』と呼ばれる、一部の先発陣に与えられる登板間の調整を一任させてもらえる権利を14日・DeNA戦後に行使。その登板間はウエートやブルペン投球を行わずに休養に努め、体力の維持を図ってきた。今回の登板間でもブルペン入りはせず、投球は遠投やキャッチボールのみという独自の調整法を取り入れ、好投を生み出した。
これでチームはバンテリンドームでの連敗が5で止まり、0差は継続ながら、首位の座も死守することに成功。チームの勝ち頭として床田は「勝てる試合は全部勝ちたいと思っている。今もつれてもいるので、なんとか自分に勝ちが付かなくても、チームが勝てるようにできればいいかなと思う」と優勝争いに視線を向けた。日々、頼もしさ増す左のエース。歓喜へ、力強く導いていく。