広島・菊池&矢野で首位奪回 師弟コンビ初アベック連発! 菊池助言で積極性取り戻した矢野「思い切って」735日ぶり弾!

 7回、2年ぶりの本塁打を放った矢野(右)は、直前にソロを放った菊池とポーズをとる(撮影・市尻達拡)
 7回、左越えソロを放つ菊池
 7回、右越えソロを放った矢野
3枚

 「広島7-0ヤクルト」(31日、マツダスタジアム)

 この師弟コンビ最強じゃろぉ~!!広島の菊池涼介内野手(34)と矢野雅哉内野手(25)が初アベック弾をかけて快勝へと導いた。この勝利でチームはわずか1試合で巨人と入れ替わり、首位に再浮上。3カードぶりの初戦勝利を飾り、8月を15勝9敗1分けで終えた。6年ぶりのリーグ優勝へ勝負の9月戦線も1位の座は明け渡さない。

 鮮やかに、そして力強く連弾を完結させると、2人はベンチ前でそれぞれが手を合わせ、お互いを拝み合った。菊池が8号ソロを放つと、矢野も右翼ポール直撃の1号ソロ。師弟での連弾に矢野は「菊池さんが迷いなく振り抜いてくれたので、僕も思い切って空振りを恐れずに入って行けた」と師匠に感謝した。

 菊池が先陣を切った。2-0で迎えた七回先頭で打席に立つと、高橋の直球を振り抜き、左翼へアーチをかけた。そうなったら弟子も負けていられない。スタンドにはまだ一発の余韻が残る中、次打者・矢野も直球を一閃(いっせん)。高々と舞い上がった打球は右翼ポール上部に「カンッ!」という快音を残してグラウンドへと跳ね返り、球場のボルテージはもう一段階上がった。

 矢野自身、2022年8月27日・巨人戦(マツダ)以来、735日ぶりの本塁打だった。それだけに驚きも含んだキョトン顔で右拳を突き上げながら、ダイヤモンドを一周し、「ナイスパワー」と笑顔。久々に矢野の一発を見た菊池も「幻じゃないですよね?入りましたよね?もう一回見返します。本当に1本出て良かったんじゃないですかね」と目尻を下げた。

 デッドヒートの優勝争い。菊池には3連覇の経験があるが、矢野にとっては初体験。27日・中日戦(バンテリン)では矢野が2度のファンブルでピンチを招き、決勝打を浴びて逆転負けを喫した。「自分の武器である守備でミスをして負けた。今までの野球人生の中で1番悔しくて、切り替えることができなくなってしまっていた」。そんな弟子を救ったのは師匠だった。

 27日の試合後に菊池が矢野を誘い出し、食事をともにした。「俺も1年間で18失策、大事な場面でエラーもいっぱいしてきた」。自らの若い頃を引き合いに強く背中を押した。「その話が刺さった」と矢野。そこから積極性を再び取り戻し、この日は四回にも適時打を放った。塁上で感情を爆発させた姿が優勝争いでの重圧を打ち破ったことを印象づけた。

 チームは再び首位に浮上し、新井監督は「目の前の1試合1試合をウチらしく全員野球で戦っていきたい」と先を見据えた。守備も絆も固く結ばれた最強二遊間コンビが魅せた打撃でのコラボレーション。この勢いはナイン全体へと波及していく。

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