広島・矢野 球団8888号が人生初のランニング弾! ヤクルト戦マツダで負けなし9連勝で堅首!!

 「広島5-1ヤクルト」(1日、マツダスタジアム)

 “持ってる男”が魅せた!広島・矢野雅哉内野手(25)が六回に人生初のランニング本塁打。2死二、三塁で中堅に運び、一気に生還。この一発が球団通算8888号となり、プロ入り初の2戦連続弾となった。新井監督も「何か持っていますね、彼は」と称賛した。チームも首位の座を守り、本拠地でのヤクルト戦は開幕から9連勝。シーズンのヤクルト戦勝ち越しも決めた。

 スタンドから波及したどよめきは、矢野のホームインと同時に最高潮へ達した。疾走感にあふれた姿が見る者の心を高鳴らせる。本拠地を熱気の渦に包み込んだ人生初のランニング本塁打に「本当に、まさかですね」と本人も驚きの表情。9月最初の試合で堂々の“主演男優賞”に輝いた。

 2点リードの六回だ。2死二、三塁でロドリゲスの152キロを捉えると、白球はセンターに向かってグングン伸びた。前進守備を敷いていた増田が懸命に背走しながら捕球を試みたが、打球は中堅後方を転々とした。

 「二塁を回った時、ホームに行けるなと」。勢い良く二塁を蹴って三塁も回って最後はヘッドスライディング。プロ入り前も経験がない珍しい一発でベンチとファンに歓喜をもたらした。「玉村が必死になって投げて抑えてくれていた。守りはもちろん、バッティングで何とかしたいと思っていたので、打てて良かった」と喜んだ。

 前日8月31日の一戦では、師匠・菊池に続く2者連続弾を今季1号で記録していた。2022年以来、735日ぶりの一発を放ったばかりの男がプロ入り初の2試合連続本塁打を達成。この本塁打が球団通算8888号という、末広がりの節目にもなった。

 この日、早出練習では最後まで打撃ケージに残って汗を流していた。その姿を見ていた新井監督は「言葉はかけられなかった。もう昨日のホームランで雰囲気出してバッティングしていたので、ちょっと近寄りがたいオーラがあった(笑い)」とユーモア全開でイジりつつ、「何か持っていますね、彼は。エンターテイナーだなと。今日もナイスホームランでした」と褒め上げた。

 本人はその早出練習で自らの感覚と対話を重ねながら、前日との変化に気付くことを心がけている。「その日その日、体の調子が違うので確認しながら。早出でちょっと『今日はここが違うな』と思ったら(全体の)練習で『どういう感じで打とうか』と。その確認です」。その姿は頼もしく、抜かりない準備が日々の成長を支えている。

 チームは首位の座を守り、本拠地でのヤクルト戦は開幕から9連勝。3日からは敵地でDeNA3連戦が待つ。「今まで通りピッチャーを助ける守備をしたい」と語った矢野。“鯉のエンターテイナー”が、勝負の9月戦線を盛り上げていく。

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