広島・野間 左キラーから2試合連続タイムリー 諦めない姿勢体現「とにかく後ろに」

 「広島1-6巨人」(10日、マツダスタジアム)

 勝てば首位再浮上だった広島は、巨人に完敗した。ゲーム差を2に広げられた。

 このままでは終われない。本拠地をこの日一番の盛り上がりへと導いたのは、野間峻祥外野手の一打だった。二塁をスライディングで陥れ、膝を突きながらガッツポーズ。厳しい展開の中でも諦めない姿勢をプレーで見せた。

 「とにかく後ろに後ろにという気持ちだけでやってます」

 4点を追う六回だ。2死から秋山が中前打、矢野が四球でつなぎ打席を迎えた。相手投手は“左キラー”の高梨。カウント1-2と追い込まれるも、内角低めのツーシームを右翼線に引っ張り込んだ。チーム唯一の得点となる適時二塁打。「なかなか左打者にとっては難しい投手ですけど、そんなことは言っていられない」と意地を見せた。

 自身は9月に入り、22打数4安打、打率・182と状態は思わしくない。それでも3試合連続で3番に座り、2試合連続で適時打をマークするなど、苦しむ打線の中で頼りになる存在であることは間違いない。「大事な試合が続くので、なんとか、チームの勝ちにつながるようにしっかりいい準備ができたら」と必死に前を向いた。

 優勝争いが熾烈(しれつ)を極める中、1試合が持つ意味合いの大きさは、痛いほど理解している。「この時期になったら、1点どうこうというより、勝つか負けるか。あした勝てるようにチームとして頑張ってやっていきたい」。勝負の7連戦は始まったばかり。巻き返すチャンスはまだある。野間がチームに再び勢いをもたらす快音を響かせる。

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