広島・堂林 意地のマルチ 天敵・高橋遥人撃ち 反撃ムード呼ぶ適時打「必死で頑張ります」

 6回、左前に適時打を放つ堂林(撮影・山口登)
 6回、左前に適時打を放つ堂林(撮影・山口登)
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 「阪神7-3広島」(13日、甲子園球場)

 目の覚めるような鋭い打球が三遊間を抜けていった。苦しめられてきた“天敵”に一矢報いたのは4番のバットだった。広島・堂林翔太内野手が高橋に対し、今季チーム初適時打を含む、マルチ安打をマーク。劣勢ムードの中で、選手会長が意地を見せた。

 「自分のバッティングをすれば点が入ると思っていたので、それができてよかったです」

 4点を追う六回だ。先頭の代打・上本が死球で出塁すると、秋山が二塁への内野安打でつなぎ、矢野の四球で無死満塁。小園が中飛に倒れたところで打席が巡った。初球のツーシームを空振りし、2球目。低めの142キロを左前にはじき返し、三走が生還。力強く右拳を握った。

 四回2死の第2打席でも、146キロ直球を左翼越えの二塁打とし、好機を演出。「いい球を投げる投手なので、追い込まれる前にというのは意識していました」とこの日、左腕と対峙(たいじ)した3打席は全て3球目以内にスイング。今季の対戦成績を8打数3安打、打率・375とし積極打法が好相性につながっていることを明かした。

 しかし、チームは堂林の躍動むなしく高橋に対し、今季3戦3敗。新井監督は「スコアラーやコーチがアプローチの仕方などをミーティングしてくれている」と話し、2点を奪った六回を「いい攻撃はできたんじゃないかと思う」と敗戦の中に光を見いだそうとした。

 苦しい状況が続くが、試合からは逃げられない。「もう言葉を並べてもしょうがない。とにかく勝ちにいく姿勢で示していきたい。前を向いて、とにかく明日1勝できるように必死で頑張ります」と堂林。長く暗いトンネルから、チームを救い出す一打を放ってくれ。

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