広島負の連鎖 新井政権ワーストタイ月間13敗目 床田も今季ワースト5失点 Aクラス生き残りへ20日から巨人2連戦
「ヤクルト5-1広島」(19日、神宮球場)
広島が早くも9月3度目の3連敗で、新井政権ワーストタイとなる月間13敗目。チームトップ11勝の先発・床田寛樹投手(29)が5回10安打で今季ワーストの5失点と乱れた。さらに2007年以来、17年ぶりのビジターゲーム8試合8連敗と悪い数字が並ぶが20日からは首位・巨人と2連戦。新井貴浩監督(47)は「出せる100%で」と意地の勝利を誓った。
勝利の女神は、一向に見つからない。1点ビハインドの五回。バックスクリーンに着弾したサンタナの打球に広島ベンチが沈む。床田は両膝に手をやり、うなだれた。チームトップの11勝左腕を立てて臨んだ一戦。負の連鎖を止められず、頼みの綱も切れてしまった。
初回に先制してもらったが、波に乗れない。二回は先頭・山田に左越えの同点ソロを許し「見ての通りです」と唇をかむしかなかった。四回は無死一、三塁で再び山田を打席に迎え、中犠飛で勝ち越された。続く五回は1死一、二塁のピンチ。1点差を保ち、六回以降の攻撃につなげたかったが、結果は悪夢のような3ラン。敵地に響く大歓声が、悲しみの大きさを際立たせた。
サンタナに痛打された球は、2ストライクからの内角カットボール。決して悪い球ではないように見えたが「でも、それで打たれているので、良くなかったってことじゃないですか」と言い訳はしなかった。
昨年8月10日・ヤクルト戦で7失点(自責点5)して以来、今季ワーストの5失点。ここまで23試合に先発して、21試合でクオリティー・スタート(6回以上自責点3以下)をクリアしていた男の乱調。それでも新井監督は「打ったサンタナが上だった、ということかな。勝負に行っているからね。ここまでずっと頑張ってくれている。また次の登板に備えて頑張ってもらいたい」と責めなかった。
打線も10安打を放ちながら、わずか1得点。四回からは4イニング連続で得点圏に走者を進めたが、本塁を踏ませてもらえなかった。「ヒットは出ているので、得点に結びつけられるようにしたい」と指揮官。これで直近8試合のうち6度目の逆転負け、今月は3勝13敗となった。月間13敗は昨年9月に並ぶ新井政権ワーストタイ記録。17年ぶりのビジターゲーム8戦8敗での8連敗と、坂道を転げ落ちるスピードが止まらない。
20日からはマツダスタジアムで6・5ゲーム差の首位・巨人と2連戦。「今の状態で出せる100%で」と新井監督。優勝の可能性が限りなく低くなったが、ひと泡吹かせる意気込みを口にした。Aクラス生き残りへ、苦境を打ち破る姿を見せるしかない。