広島・末包 プロ初サヨナラ打!延長十二回代打で一振り「こんなに気持ちいいものなんだな」4連敗止めた!1差CSつないだ!
「広島3-2阪神」(27日、マツダスタジアム)
両手を大きく突き上げて、広島・末包が子どものように飛び跳ねた。連敗を4で止め、久しぶりに本拠地に笑顔の花が咲く。4時間4分の熱戦に決着をつけたプロ入り初のサヨナラ打。「初めてサヨナラ打を打って、こんなに気持ちいいものなんだなと思った」と至福の瞬間をかみしめた。
同点の延長十二回1死二塁で代打で登場。「逆方向を狙って強い打球をと思っていた。もう打つだけと割り切って。スタートから出た人たち、途中から出た人たちも含めて、粘って十二回裏まで来たのでしっかり自分の役割をしたいなと」。大学の2学年後輩にあたる村上との勝負。外角高めに来た4球目を捉えると、打球は前進守備の右翼・島田の頭上を越えた。
今月は思うように状態が上がらず、2試合続けてベンチスタート。練習では自らの感覚と対話を重ねながら、ベストな形を模索する。この日はトップの位置を高くして構え、好結果につなげた。「自分の中の引き出しを開けながらその日、自分に(とって)いいなと思ったものを出したい。今日はバッティングの中で(それが)いいと思ったので」と明かした。
この日はチームの先輩・野村の引退が発表された。2軍で同じ時間を共有した間柄。「朝早くから来て、走って柔軟(体操)などを毎日欠かさずやっているなと思った。準備がすごいです」と準備を怠ることなく、野球と向き合い続けた姿に刺激をもらった。
新井監督は「悔しい思いをバットに乗せてくれたかな」と称賛。試合のなかった3位・DeNAとは1ゲーム差に迫り「チームとして、望みがある限りは最後の最後までやるしかない」と末包は力強く宣言した。この日のように粘り強く全員で白星を積み重ねていく。