広島・新井監督 続投へ 松田オーナー「当然来季も」覇権奪回の3年目 9月大失速も優勝争いを評価
広島・新井貴浩監督(47)が来季も指揮を執ることが4日、決定的となった。この日、松田元オーナー(73)が取材に応じ「当然、来季も指揮を執ってもらおうと思っている」と語った。全日程終了後、球団と話し合う。就任2年目の今季は9月の急失速が響きBクラスが確定したが、9月上旬までは首位につけていた。新井カープが来季こそ、頂点を狙う。
5日にマツダスタジアムで行われる今季最終戦を前に、球団は新井監督に来季もチームを託す方針を固めた。松田オーナーは「当然、来季も指揮を執ってもらおうと考えている。今年はうまく選手をやりくりさせながら9月まで戦ってくれた」と夏場までの足跡を評価した。
就任2年目の新井カープは5月28日、今季初の首位に立った。交流戦は10勝8敗で7年ぶりに勝ち越し。安定感抜群の投手陣と堅実な守備力を前面に押し出して、白星を積み上げていった。大瀬良、床田、九里、森下の先発4人がローテを回りながらアドゥワ、玉村、森らも与えられた場面で結果を残してきた。
特にアドゥワは6年ぶりに6勝を挙げ、プロ初完封も達成。玉村も2度の完投勝利(プロ初含む)をマークするなど、チームの安定した戦いを支えてきた。野手では遊撃のレギュラーに定着した矢野が好守を連発。出番を増やしながら課題の打撃面でも成長ぶりを発揮し、チームに欠かせないピースとなった。
チームは8月を15勝9敗1分けで終え、いよいよペナントレースの勝負どころに突入した。だが“最終コーナー”を回った9月は悪夢の大失速。先発陣が試合をつくれず、打線も沈黙を強いられたゲームが目立った。10日からは1ゲーム差で追う首位・巨人との直接対決でまさかの3連敗。覇権奪回という目標が徐々に遠のき、その後も負の連鎖が止まらなかった。結局9月はセ・リーグワーストタイの月間20敗を喫してAクラスからも陥落してしまった。
誤算だったのは野手の両外国人。レイノルズは6月に左肩を手術し、今季中の復帰が見込めないため契約解除。わずか2試合の出場でノーヒットのまま日本を離れることになった。シャイナーも7月31日・DeNA戦で左手首を痛め、患部を手術。9月21日に米国へ帰国した。貧打解消を期待された助っ人が期待に応えられず、同オーナーは「打撃に関しては我々の責任」と受け止めた。
来季に向けて攻撃陣の得点力アップは急務。それに加えて小園、坂倉、矢野に次ぐ若い世代の台頭も待たれる。「(彼らより)もう一つ下の世代が出てきてほしい」と松田オーナーは来季への期待を語った。歴史的な失速を教訓にしながら、新井カープが来季の巻き返しに向かって前進する。