広島・田村 5戦連続安打&3戦連続打点 得点圏の鬼へ磨きかける フェニックスLで上り調子

 「フェニックス・リーグ、広島5-1DeNA」(15日、天福球場)

 得点圏の鬼と化す!広島・田村俊介外野手(21)が15日、フェニックス・リーグのDeNA戦(天福)で2安打1打点の活躍を見せた。これで5試合連続安打&3試合連続打点と好調をキープ。今季、1軍で得点圏打率・143に終わった悔しさをバネにし、勝負強さに磨きをかけることを誓った。

 集中力を研ぎ澄ませ、鋭い目つきでバットを構える。ゆったりタイミングを取り、甘い球を中前へ。田村がチャンスの場面で存在感を発揮し続けている。

 「得点圏で良い感じで打てているので、それはすごい自信にはなってきているなと思います」

 見せ場は1-1の五回に訪れた。佐藤、内田の連打で1点を勝ち越し、なおも無死二塁。この回から登板した宮城に対し、1ストライクから二遊間を破る中前適時打をマークした。「打席に落ち着いて入ることを意識している」。中堅手が本塁に送球する間に二塁を陥れる隙のない走塁も披露した。

 課題にしているのは、ここぞの場面での打席だ。今季、1軍では得点圏で21打数3安打、打率・143、5打点。ギアを上げてくる投手の前に苦戦が続いた。「得点圏では相手の攻め方とか配球も変わってくる。そういうところの読み合いを打席の中で考えてやっている」。1軍定着の先にあるレギュラー獲得へ向け、「得点圏で打っていかないと」とこの秋は勝負強さを磨いている。

 新たな取り組みにも挑戦中だ。左投手に対して、右足を開いて構えるオープンスタンスを導入。「球を見やすくするために工夫してやっていこうと思います」と進化を求める。

 その成果もあってフェニックス・リーグではここまで27打数9安打、打率・333、1本塁打、5打点。3試合連続打点&5試合連続安打中と上り調子だ。好調さは積極性にも表れており、この日は4打席全て3球以内の決着。「打席に入る前に、相手投手の情報や球種を頭に入れた中で初球振りにいっている。続けていきたい」とうなずいた。

 高2軍監督も好機で結果を残し続けている若鯉に対し、「いいところで適時打が出ているよね」と高評価。「いい打者の条件は得点圏でいかに打てるか。頼りになる打者の条件ですからね」と目を細めた。

 今季はリーグ5位の415得点と得点力不足に泣いた新井カープ。Bクラスからの巻き返しに、新戦力の台頭は欠かせない。「(今年と)違うところを見せたい」と田村。目の色を変える21歳が、成長の秋を過ごす。

 ◆田村の得点圏成績 2024年シーズンの田村の得点圏成績は21打数3安打5打点で打率.143。また、走者一塁を含めた走者有りの状況では43打数6安打で打率・140だった。一方、走者無しの状況では58打数14安打で打率.241だっただけに、走者を置いた場面での勝負強さの向上が成長へのカギに。また、広島のチーム得点圏打率は.245。セ・リーグでは中日の.226に次いで低い数字だった。

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