広島・新井監督 覇権奪回へ“地獄の秋”じゃ! 秋季練習初日から“名物”をメニューに導入

 広島は16日、マツダスタジアムで若手選手主体の秋季練習をスタートさせた。かねて同期間での練習量増を明言していた新井貴浩監督(47)の言葉通り、野手陣はみっちり約6時間の猛練習。指揮官は例年、キャンプ休前日に行っていたロングティーを毎日実施すると明かした。4位からの巻き返しへ“地獄の秋”が幕を開けた。

 練習開始から1時間も経過しないうちに、若鯉たちの表情が険しくなっていく。外野の芝生に膝をついてへたり込む者もいれば、頭から水を浴びる者もいた。青空に包まれた本拠地で幕を開けた“地獄の秋”は、変革の波の訪れを感じさせた。

 アップを終えると、28人の選手たちはポール間走を計10本消化。顔をゆがめながら自分自身を追い込んだ。新井監督は「強度を上げてくれと(伝えた)」と明かした。午前中からみっちり足腰を鍛え抜いたが、これはまだ序章に過ぎなかった。

 野手陣は午後からグラウンドと室内練習場の2組に分かれて、フリー打撃。ティー打撃とマシン打撃に加え、正面から投げられる緩い球を下半身主導で捉える練習も目立った。2カ所で約1時間ずつ打ち込むと、仕上げはロングティー。2人一組で1人約100球を振り込んだ。

 カープ定番のロングティーは春、秋のキャンプで各クール最終日に実施するのが恒例だ。いきなり初日から“名物”をメニューに組み込んだ指揮官は、毎日ロングティーを行うかと問われ「そうやね。打つ量を増やすと言っているので」とサラリ。振って振って振り込んで、チームとしての打力向上を図っていく。

 約6時間の特訓には「シーズンに入ると相手と勝負しないといけないけど、秋は自分との勝負というところもあるから。(量を)物理的に増やすことで体にすり込ませていくというかね。そういう期間だと思う」と狙いを説明。相手に勝つためには自分に勝たないといけない。克己心を持ちながら、成長曲線を描く秋になることを期待した。

 個々への助言も惜しまない。シーズン中は試合が続き、結果を出すことが最優先。だが、ここからは納得いくまで鍛錬を積める。「今からは新しいことにチャレンジできる。その都度その都度、言っていきたい」。早速この日は林を直接指導して下半身の使い方をレクチャー。林本人は「本当に一番大事な時間だと思う。自分に負けないように取り組んでいきたい」と決意を新たにした。

 若手の台頭、得点力アップは覇権奪回への明白な課題だ。目指すは4位からの巻き返し。心と体を鍛え、技を磨いて逆襲への下地を固めていく。

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