広島・新井監督 森下に猛ゲキ「物足りない」 来季はチームを「引っ張れ」「もっともっと期待している」

 ノックを受け、送球をする森下(撮影・市尻達拡)
 練習を見守る新井監督
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 広島・新井貴浩監督(47)が18日、森下暢仁投手(27)に猛ゲキを飛ばし、来季の奮起を促した。今季10勝10敗だった右腕に「よく頑張ったとは思うけど、彼のポテンシャルを考えたらまだまだ物足りない」と、さらなるレベルアップを求めた。右腕は今秋、ウエートトレーニングに注力していく構え。指揮官は来季、チームをけん引する姿に期待を寄せた。

 勝ち星と同じ数だけ、負けるような投手ではない。来季の覇権奪回を狙う上で、この男の働きは欠かせない。高い潜在能力を認めるからこそ、もっと高みを目指してほしい。新井監督が森下への期待を言葉に変えた。「もちろん期待しているし、よく頑張ったとは思うけど、彼のポテンシャルを考えたらまだまだ物足りない」

 発せられた猛ゲキの裏には、変革を願う思いがある。森下は今季、先発陣の一員として白星を積み上げて8月20日・巨人戦で2年ぶりの10勝目をマークした。だが、同27日・中日戦から6連敗と失速。今季最終登板となった9月28日・巨人戦でも負け投手となり、6連敗もシーズン10敗もプロ入りワーストという悔しさを味わった。

 勝負の9月に入ると、中5日で3度登板した。3度はチームの先発投手では最多。そこにも指揮官の期待が表れている。「疲れとか、なかなか打線の援護がない中で頑張ってきたからね。もちろん、そういうことも分かっているけど、彼ならまだまだできるはずと思っている。もっともっと期待している」。タフな場面でも粘り強く腕を振り、相手球団のエース級と堂々と投げ合ってチームを勝たせる投手になることを求めていく。

 森下は16日から始まったマツダスタジアムでの秋季練習に参加。この日はキャッチボール、ウエートトレーニングなどで汗を流した。2年前は右肘を手術し、昨年はチームがCSファイナルSに進出していた。この時期に、本格的に練習を行えるのは久々。今秋はウエートトレーニングで強化を図り「けっこうガッツリやっています。体幹とウエートをしっかりやっている感じです」と取り組みを明かす。

 9月に6連敗を喫した際の映像を見返し、「(体の)重心が倒れたり開きが早かったり」という投球フォームのズレも把握。そして「やっぱり三振を取りたいところで取れないのが課題。そういう部分は何か工夫しないといけないと思っている」と現状を分析し、レベルアップに意気込んだ。

 来年は28歳を迎え、年齢的にも若手から中堅へと入っていく。新井監督は技術的な向上と同時に「来年は『自分が中心なんだ、自分が引っ張るんだ』と思ってやってもらいたい」と主力としての自覚も促した。リーダーの熱いメッセージに応えるべく、広島の屋台骨を支える存在になる。

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