広島・黒田球団アドバイザー 金の卵を育てる 2年連続秋季C指導「少しでも手助けできればと思います」
広島の黒田博樹球団アドバイザー(49)が28日、宮崎県日南市で11月4日から行われる秋季キャンプで若手投手を指導していく方針を示した。この日は秋季練習が行われたマツダスタジアムを訪れ、選手たちに熱視線。シート打撃に登板した高橋昂也投手(26)の投球を称賛した。
充実の秋にするべくレジェンドが動く。目指すは投手力のさらなる強化と底上げだ。現在行われている秋季練習が終わると、すぐに秋季キャンプが始まる。この日、本拠地を訪れた黒田球団アドバイザーは「そんなに長くはいられないですけど」と前置きした上で、日南に赴き、投手に助言していく考えを示した。
未来ある金の卵たちへの労力を惜しまない。昨季も秋季キャンプで若手投手を指導。2年連続の日南入りに向け「これからの選手にとって、オフに入る前の時期が一番大事だと思う。少しでも手助けできればと思います」と先を見据える。
今季のチーム防御率は2・62でリーグ3位だった。開幕から先発、中継ぎともに強固な投球を披露して8月末まで首位をキープしていたが、9月に入って打ち込まれる展開も増え、チームは失速。まさかの4位という結果に終わった。
先発陣は大瀬良、床田、森下、九里の20代後半から30代前半の選手が軸となって戦ってきた。中継ぎ陣も栗林、島内、森浦、塹江ら、20代後半の選手がフル回転。若手の台頭が、さらなる層の厚さにつながる状況となっている。
宮崎でのフェニックス・リーグでは、7回1失点の投球を見せた斉藤や、2戦クオリティースタートを記録した高がアピール。常広も力強い投球を披露するなど、ダイヤの原石はたくさんいる。
この日はマツダスタジアムで秋季練習を見つめた黒田氏。新井監督とは1時間以上にわたって話し込み、シート打撃をバックネット裏から見守った。
打者8人に対して、被安打1だった高橋には直接声をかけ、「彼のことは2年前からちょくちょく見ていて、2年前と比べてすごく良くなっているのは実感しています。後ろから見ているとカットボールの質がすごく良かった」と評価。今季1試合登板からの巻き返しを目指す左腕も「そうやって気にかけてもらえるのはありがたいことです」と感謝する。
いてくれるだけで投手陣への存在感は抜群。レジェンドからの助言で、若手投手たちがどのような化学反応を起こすのかに注目が集まる。
◆黒田球団アドバイザーの主な指導
23年・春季キャンプ この年のシーズンから球団アドバイザーに就任した黒田氏は、同キャンプから本格始動。投球時の「間」をテーマに掲げていた黒原へ「軸足の足の裏の内側に、投げる時に力を入れることと、かかとを浮かないように」と指導。河野にも配球面などを助言。
24年・春季キャンプ 22年度ドラフト1位・斉藤に対して、投球プレートの使い方や投げ込みの重要性などを説く。