広島・田中広輔 背水の覚悟で来季へ 「またもうひと踏ん張りするか、そのまま終わるのかは僕次第」
広島の田中広輔内野手(35)が29日、自主練習のためマツダスタジアムを訪れ、来季への覚悟をにじませた。途中出場が多かった今季は打率も1割台にとどまるなど、苦戦を強いられた。もう一度輝きを取り戻すため、「準備」にこだわりを見せ、どんな状況でも徹底していく姿勢を示した。
役割が変わりゆく中でも気持ちや取り組みは変わらない。ベンチから戦況を見つめることが多かった今季。途中出場の難しさを痛感しつつも、田中は「誰に文句を言われても言い返せるぐらいの、試合に対する準備はした」と力を込めた。巻き返すべく、視線は来季へと向いている。
今季は66試合に出場し、打率・156で2本塁打7打点。夏場からは代打待機となり、26打席連続無安打という苦しみも味わった。「元々守備からリズムをつくるタイプ」と話す中、「代打1打席で勝負する難しさはめちゃくちゃ感じた」と振り返る。
大事なのは「準備」と心得る。今季も、出番が限られた中でも気持ちを切らさず準備を続け、9月20日に2軍に落ちてからウエスタンでは11打数4安打。「ファームの試合に出て、体が動けたのは僕が1年間続けてきた準備は間違っていなかったなと感じたので、そこは変えずに。あとは精神面や代打でいく時の準備の仕方をもっと考えて勉強してやりたいなと思う」と向上心をのぞかせた。
結果が求められる現状に対しては「それが本来の姿なので、それはそれでいいと思う」と受け止める。「(自分が)批判されるまでの選手になったという…。ここからまたもうひと踏ん張りするか、そのまま終わるのかは僕次第。頑張りたいなと思う」。再浮上へ、鋭いまなざしには力が宿っている。