広島・黒田球団アドバイザー指令 「腹くくって」投手陣に投げ込み&フォーム修正「リスク背負っていかないと」
「広島秋季キャンプ」(4日、日南)
広島は4日、宮崎県日南市で秋季キャンプを開始した。帯同している黒田博樹球団アドバイザー(49)は投手陣のブルペン投球を見つめ、リスクを覚悟で挑戦していく秋にするよう指令。「ある程度、リスクを背負ってでもやっていかないといけない時期」と、飛躍に向けて、参加メンバーたちの背中を押していく構えを示した。
飛躍を目指す熱意と、逆襲に懸ける意気込みを十分に感じ取った。黒田アドバイザーが、必死に腕を振る投手たちの様子を熱心に見つめる。来春に向けて重要な助走期間となる秋。「みんな来季に向けて目の色が変わっている。課題をしっかり持って、『何とか来年に向けて』という気持ちは伝わってきた」と頼もしげに初日を振り返った。
チーム全体として新井監督が練習量増を明言。野手が昨年以上に振り込む中、投手陣に伝えたい思いがある。それが投げ込みの重要性。「もちろん肩は消耗品というのは分かった上で、どこかで勝負を懸けないといけない時は人それぞれある。僕もどっちかと言うと、そういうタイプだった。やっぱり、それだけのリターンを取ろうとすれば、ある程度のリスクは背負っていかないといけない。それは秋のキャンプのテーマだと思う」
日米通算203勝を挙げたレジェンド右腕は自らの経験も踏まえ、そう語った。「技術の高い人が勝っていく世界。こっちに来ている選手は自分で腹をくくって勝負しないといけない選手が多い」。歯を食いしばりながら己を高め、1軍に割って入るような構図を期待した。
昨季48試合に登板するも、今季はわずか4試合の登板に終わった大道は早速、ブルペン入り。大道は「今年はいい球の確率が悪かった。来季、いいスタートが切れるように今からやっている。一日一日、少しずつでも(感覚を)覚えていけたら」と巻き返しに燃えた。
キャンプには計19人の投手が参加しているが、この日は実に18人がブルペン入りして自らの感覚と対話した。黒田アドバイザーは午前11時から午後4時半まで、みっちり“ブルペン漬け”。各自の課題を確認し、レベルアップのために手を差し伸べた。
「プロなので一年一年で人生が変わっていく。(先発)ローテの半分ぐらい、ここにいるメンバーになるかもしれない。何が起きるか分からないし、何か起こさないといけないメンバーが来ていると思う。そういう意味では僕自身も楽しみ」と期待を寄せた黒田アドバイザー。覚悟を決めて挑戦していく男たちを全力でサポートしていく。