広島・矢野 ダントツ選出じゃ!初ゴールデン・グラブ賞 2位ヤ長岡と151票差 高らか宣言「菊池さん超え」
守備のベストナインを選ぶ「第53回三井ゴールデン・グラブ賞」が12日、発表され、セ・リーグの遊撃手部門で矢野雅哉内野手(25)が初受賞した。プロ4年目の今季は驚異的な守備範囲と強肩で好プレーを連発。キャンプ休日のこの日、宮崎県日南市のチーム宿舎で対応し、「いずれは菊池さんを超えたい」と13~22年まで10年連続で受賞した先輩超えを誓った。
文句なしの初選出だ。鯉が誇る守備職人が勲章を手にした。矢野が遊撃手部門で自身初のゴールデン・グラブ賞を獲得。「1年間頑張って最終的に取れた結果。うれしい」と喜びを口にした。
得票数2位のヤクルト・長岡とは151票差をつける218票を獲得し、ダントツで受賞。「自分は今まで守備の人間として生きてきて、守備だったら誰よりも練習してきた自信がある。それが自分にとっては一番大きかった。いろいろ考えながらやってきたし、それが間違っていなかったのが結果として出たので良かった」と胸を張った。
4年目の今季は飛躍のシーズンとなった。開幕スタメンは逃したものの、武器である守備力を発揮し、小園らとの正遊撃手争いをリード。1球ごとに守備位置を微調整する緻密さと、遠投125メートルを誇る強肩で何度もチームの危機を救った。
最終的に23年の93試合を上回る自己最多の137試合に出場。「この展開だったら最低限1個(アウトが取れれば)でいいやとかを少しずつ分かってきた。それが試合に出て経験させてもらったことかなと思います」とワンプレーずつの積み重ねが成長につながった。
悔しい経験も忘れていない。「一番印象に残っている」と振り返ったのは8月27日・中日戦(バンテリン)。1点リードの四回に自身の失策をきっかけに2失点し、1-2で敗れた。「あまり良いプレーは覚えていない。悪いプレーの方が印象が大きかった」。苦い思いを胸に刻み、失敗を繰り返さないための準備を怠ることはなかった。
目標は一番近くにいる。二遊間コンビを組む菊池は10年連続ゴールデン・グラブ受賞を達成している名手だ。「いずれは菊池さんを超えたいという目標もある。まずは一年一年、しっかり頑張ってやっていきたい」と矢野。将来の“師匠超え”も視野に、さらなる進化を目指していく。
現在は宮崎で行われている秋季キャンプに参加中。新井監督がレギュラー白紙を明言している中、厳しい練習でレベルアップを図っている。「野球に関しては悪いところは悪いとしっかり言い合えるチームが一番いい。中心になれればそこに入ってやっていきたい」と強い覚悟を示した。来季も想像を超える“エリア61”を何度も発動させ、チームを救ってみせる。