広島・遠藤 脱力投法効果で3者連続三振 「5割の力で投げろ」黒田球団アドバイザー助言胸に逆襲じゃ
「広島紅白戦、紅組7-4白組」(15日、天福球場)
逆襲開始じゃ!広島・遠藤淳志投手(25)が15日、紅白戦で紅組の6番手として登板。3者連続三振の好投を見せ、アピールに成功した。今キャンプでは黒田球団アドバイザーの助言で“脱力投法”に挑戦中。8年目となる来季の巻き返しに向け、生まれ変わった姿で勝負を挑む。
進み始めた道は間違っていなかった。売り出し中の若鯉たちを寄せ付けない完璧な投球内容。遠藤は手応えをかみしめるように、ゆっくりとマウンドを降りた。
「真っすぐでファウルが取れていたので、本当にいい感覚で投げられた。その分、変化球もしっかり生きたのかなと思います」
八回だ。白組のクリーンアップと対峙(たいじ)した。先頭の内田は直球で追い込むと、最後はチェンジアップで空振り三振。続く、この日2安打をマークしていた田村からは直球で見逃し三振を奪うと、中村貴も低めのチェンジアップでバットに空を切らせた。
この秋から取り組んでいるのが“脱力投法”だ。黒田球団アドバイザーから「5割の力で投げてみろ」と助言を受けたのがきっかけ。「しっかり(ボールを)たたけている感じがする。5割の力で、感覚よく投げるっていうのを探しながらできている」。ゆったりとしたフォームから繰り出されるキレのある直球。このギャップで打者を惑わすのが遠藤の持ち味だ。
存在感はブルペンでも際立っている。今キャンプでは毎日欠かさず、ブルペン入り。「野手が振り込んでいるので、僕たちもやらないといけないなと。どんなに疲れていようが(ブルペンに)入るのが同じ方向を向いて戦っていくってことなのかなと」と意図を説明。この日も登板後に、ブルペンで感覚を確かめるなど貪欲な姿勢でアピールしている。
新井監督も右腕のフル回転ぶりを認めている。「こんなに球数を投げ込んだことがない中で、すごく頑張ってくれている」と評価。「たくさん投げ込んで疲労もある中で、真っすぐもよかったし腕もしっかり振れていた」と目を細めた。
7年目の今季、1軍登板はわずか3試合に終わった。「戦えるボールを投げられていなかった。(今年以上に)結果が出ていないシーズンもありましたけど、今年が一番しんどかった」と唇をかむ。来季へ向け、「先発をやりたい思いはある」と前置きした上で「1軍で投げてなんぼだと思うので。中継ぎでも、先発でもいけるところでいきたい」と鼻息は荒い。自身のストロングポイントを最大限生かし、強力な1軍投手陣に挑んでいく。