広島が現役ドラフト史上初2選手獲得 オリックス・山足&日本ハム・鈴木 1巡目投手想定もリストになく→2巡目変則右腕指名

 出場機会に恵まれない選手救済の「現役ドラフト」が9日、オンラインによる非公開で開催され、広島からは矢崎拓也投手(29)がヤクルトへ移籍することが決まった。昨季は24セーブを挙げるなど、近年は中継ぎ陣の一角として奮闘していた2016年度ドラフト1位右腕が、新天地で新たなスタートを切る。一方で広島はオリックスから山足達也内野手(31)、日本ハムから鈴木健矢投手(26)の2人を獲得した。

 広島は3回目の開催となった「現役ドラフト」で初めて2選手を獲得した球団となった。1巡目でオリックスから山足達也内野手(31)、2巡目で日本ハムから鈴木健矢投手(26)を獲得した。

 当初、1巡目は投手の指名を想定していたが、リストに残っていなかったため、チームのウイークポイントに目を向けた。山足の獲得について山根編成部部長は「内野はどこでも守れますし、右打者というのが大事になってくる。ファームでも結果を出しているので指名させてもらった」と説明した。

 内野陣を見渡すと、25歳の矢野と33歳の堂林の間に選手がおらず“空洞”となっていた。31歳の山足に対し同部長は「30代前後の選手がいなかった。一生懸命やる選手なので若手の手本にもなると思う」とプレー以外の部分でも期待を寄せる。オリックスで21~23年に3連覇を経験しているところも魅力の一つだ。

 2巡目で指名した下手投げ右腕の鈴木について山根部長は「うちは結構評価していた。(2巡目に)残っていたので指名させていただいた」と獲得の経緯を明かした。

 活躍できる要素を持っている。近年、パ・リーグから移籍してきたDeNA・中川颯や巨人・高橋ら変則投手が新天地で躍動。同部長は「低めに集めて打たせる投球。制球も悪くないですし、セ・リーグに少ない投手」と評価。期待の新戦力を加え、7年ぶりの頂点を狙う。

 ◆オリックス・山足「7年間お世話になったオリックスに感謝の気持ちでいっぱい。カープファンの皆さんに山足という名前を覚えてもらい、認めてもらえるように精いっぱい頑張る」

 ◆日本ハム・鈴木「エスコンフィールドでの初勝利は一番の思い出。これからは違うリーグになるが、ファイターズでの経験を生かして日本シリーズで戦えるように頑張りたい」

 ◆山足 達也(やまあし・たつや)1993年10月26日生まれ、31歳。大阪府出身。174センチ、76キロ。右投げ右打ち。内野手。大阪桐蔭から立命大、ホンダ鈴鹿を経て17年度ドラフト8位でオリックスに入団。プロ初出場初スタメンは18年の開幕戦だった3月30日・ソフトバンク戦(2番・二塁)。同戦でプロ初安打もマークした。

 ◆鈴木 健矢(すずき・けんや)1997年12月11日生まれ、26歳。千葉県出身。176センチ、80キロ。右投げ左打ち。投手。木更津総合、JX-ENEOSを経て19年度ドラフト4位で日本ハム入団。プロ初出場は新人だった20年6月23日・楽天戦。プロ初勝利は22年6月26日・ソフトバンク戦。24年は先発とリリーフで8試合に登板して1勝2敗1ホールド、防御率2・74。

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