広島・秋山 チーム引っ張る 小倉智昭さんの訃報に決意新た「使ってよかったという試合増やす」
広島・秋山翔吾外野手(36)が10日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3000万アップの年俸1億8000万円プラス出来高払いの単年契約を結んだ。西武時代から親交があり、大の西武ファンだった小倉智昭さんが9日に死去。小倉さんから授かった金言を胸に刻み、来季もチームを引っ張る覚悟を示した。(金額は推定)
野球人生を懸け、全力で駆け抜けた1年だった。秋山はカープ3年目を振り返り、「おそらく最初に入ったときより期待値は下がっていた。それを何とかして取り返すというか、もう一回やるぞという気持ちで入った。チームとして勝てなかったところを考えると、まだ力が足りないところもあったのかな」と表情を変えずに総括した。
3年契約の最終年だった今季。4月中旬からは「1番・中堅」に座り、リーグ3位の158安打、打率は同5位の・289をマークした。守備でも自身5年ぶりとなるゴールデングラブ賞を獲得。「慣れ親しんだ打順、ポジションを長い期間やらせてもらったのは、最後のチャンスかなというのもあった」とプレッシャーを感じながら結果で存在意義を証明した。
自身の礎となっている言葉を忘れはしない。親交があり、大の西武ファンだった小倉智昭さんが9日に死去。訃報を受け「公私ともにお世話になった。すごく熱烈に応援してくださっていたので残念です」と故人をしのんだ。
出会いは西武時代にさかのぼる。球団主催のイベントの司会進行を務めることが多かった小倉さんと、トークショーなどで交友を深めていき、連絡を取り合うようになった。秋山自身は15年にシーズン216安打を放ち、日本新記録を樹立するなど、球団の顔にまで成長。チームリーダーとしての役割が求められる中で、小倉さんから金言を授かった。
「成績で引っ張る選手もいいけどな、リーダーとしてやっていくならチームのことも考えないといけないだろう」
この姿勢は今でも変わることはない。「先輩について行くだけでなく、下の選手を引き上げながらとか。同世代の人間がチームにまだ残っているんで、連携して厚みがあるような組織にしていきたい」と来季以降も先頭に立ち、引っ張っていく覚悟だ。
日米通算2000安打まで残り206本と大記録も近づいている。「残り何本というのももちろん把握している。いろんな配慮もされていますけど、その配慮に甘えないように。もう一度(レギュラーを)つかみ取って、やっぱり秋山使ってよかったという試合を増やせるように頑張っていきます」。カープには“アキのチカラ”がまだまだ必要だ。