広島・大瀬良“同期入団で同い年”九里への思い胸に闘志新た ローテ争い歓迎「来年優勝できるように」
広島の大瀬良大地投手(33)が13日、荷物整理のためにマツダスタジアムを訪れ、海外FA権を行使してオリックスへ移籍する九里亜蓮投手(33)への思いを語った。同期入団で競い合ってきた右腕への感謝を口にする一方で、先発陣の競争激化を歓迎。来季の優勝へ決意はさらに強固なものとなった。
「頑張って」、「ありがとう」。競い合ってきた盟友コンビはマツダスタジアムで顔を合わし、固い握手を交わしたという。同期入団で同い年でもある九里が新天地を求めて広島を去る。送り出す側となった大瀬良は「同期で一緒にやってきたし、切磋琢磨(せっさたくま)してやってこられたから、いろいろ学べたり成長できた部分がある。これからは別のチーム、リーグになるけど、お互い頑張れたらいいんじゃないかと思う」と前を見た。
2人は2013年度ドラフト同期で大瀬良が1位で九里が2位。大学2年時の大学日本代表選考会で一緒に練習してからの縁で、プロ入り後も広島でチームをけん引してきた。「一番身近にいた存在」と大瀬良。ライバルとしてもしのぎを削り合い、「いい関係でここまで来られたと思う」と足跡を振り返る。
チームとしては17年から8年連続100イニング以上を投げてきた鉄腕の移籍は小さくない痛手だ。それだけにチーム全体も俯瞰(ふかん)する大瀬良は「カープとしては4位で終わっているし、(九里に対して)名残惜しくというよりは『しっかりやらなきゃいけないな』という気持ちの方が強い」と責任感をにじませた。
来季の先発を巡る争いはさらに熾烈(しれつ)になることが予想される。大瀬良、床田、森下の軸に加えて、アドゥワ、玉村、森、ドミンゲス、常広などがローテ入りを狙う。「1枠空くので、そこに向かってみんな目の色を変えてやるでしょうし、僕も気を抜いていられる立場じゃないので。『来年優勝できるように』という気持ちが強くなった」。今季6勝ながら防御率1・86の好成績を残した大瀬良自身も、その座にあぐらをかくつもりはない。
九里と公式戦で投げ合う機会があるとすれば、来年の交流戦になる。「そうなったら負けられないですよね。負けたらカープファンの人にめちゃくちゃ怒られると思うので(笑)。大瀬良が残って良かったと思ってもらえるように。来年以降も頑張っていかないといけないなと思う」と気持ちを新たにした背番号14。単独となった「投手最年長」の肩書も胸に、投手陣をこれまで以上に引っ張っていく。