広島・新井監督 攻撃力を「覚悟して上げる」「優勝も見えてこない」 9月大失速の経験ムダにしない 安仁屋氏と新春対談

 今季3年目の指揮を執る広島・新井貴浩監督(47)とカープOB会名誉会長でデイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏(80)が恒例の新春対談を行った。昨季は8月末まで優勝争いを繰り広げるも、9月の大失速が響いて4位に終わった。目指すは41年ぶりの日本一。苦しんだ9月の苦悩、覇権奪回への鍵など、カープ愛にあふれた2人の対話をお楽しみください。

  ◇  ◇

 安仁屋氏(以下安仁屋)「明けましておめでとう。今年もよろしくお願いします」

 新井監督(以下新井)「よろしくお願いします」

 -まずは新井監督から昨季の振り返りを。

 新井「数字にも出ている通り、昨年は投手陣が頑張りながらバックが守ってロースコアの試合を取っていく形。昨年できる野球で、投手陣が頑張ってくれたんですけど、やっぱり打つ方ですね。あまりにも得点できなさ過ぎて、状態の良かった投手陣にも負担をかけていた。そこが9月の(失速した)要因でもあると思いますね」

 安仁屋「そうだね」

 新井「やっぱり攻撃力を上げていかないといけない。それを痛感したシーズンでした。投手と違って野手を育てるのは時間がかかります。かつての自分がそうだったように。今も大卒、社会人卒で即戦力と言われる投手はけっこういますが、即戦力と言われる野手はほとんどいません」

 (続けて)

 「なので、そこは今年はしっかりと覚悟してやっていきたいと思っています。得点力を上げないことには、優勝も見えてこないので」

 安仁屋「昨年は頻繁に1、2軍の選手を入れ替えて若手はチャンスをもらえて良かったと思う。その中で、今年やってくれそうな選手を挙げるなら誰になるかな?」

 新井「田村ですかね。去年は開幕スタメンでしたが、悔しい思いをしたと思います。そして秋のキャンプでの取り組む姿を見ても、本当に必死に危機感を感じながらやっているように見えました。守備は外野に加えて一塁にも取り組ませているのですが、そつなくこなしてくれます。今季は新外国人の野手でモンテロとファビアンの2人が加入しますが、今年はまたちょっと違った、成長した彼を見られるんじゃないかなと」

 安仁屋「新外国人2人のうち、モンテロは一塁と三塁だね」

 新井「モンテロは基本的に一塁で考えています。ただ、これがどうなるかまだ分かりません。もちろん(田村の)基本線は外野になってくると思いますが、一塁もできるので、どういう成長を見せてくれるのか楽しみです」

 安仁屋「気になる開幕投手だけど大瀬良、床田、森下の争いになってきそうかな?」

 新井「そのあたりになってくると思いますが、まだ何も決めていないですね」

 安仁屋「年齢的には大瀬良が一番上だね。全体をまとめる立場には大瀬良がいるから、技術的なところで森下、床田に引っ張ってもらいたいよね」

 新井「そうですね。年齢的にも彼ら(森下、床田)が引っ張っていかないといけないし、自覚もしていると思う。なので、楽しみに見させてもらおうかなと。キャンプ、オープン戦もそうだし、シーズンも含めて、全ての面で引っ張っていってもらいたいし、試合だけじゃなく練習する姿勢もね」

 -2025年、監督としての目標を。

 新井「もちろん目指すのは優勝、日本一。それは変わらない。去年以上に、険しい道のりになると思う。そこを頑張って乗り越えたい」

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