広島ドラ2・佐藤柳之介 大谷翔平ストレッチ披露で視線独占 脅威の「柔らかさが武器」 新人合同自主トレ
広島の新人合同自主トレが8日、広島県廿日市市の大野練習場で始まり、ドラフト2位・佐藤柳之介投手(22)=富士大=が驚異の柔軟性を見せつけた。練習後、かつてドジャース・大谷翔平選手(30)も行った肩を内旋させるポーズを披露。この日は柔軟性を生かしたフォームでキャッチボールを行うなど約2時間汗を流し、順調な仕上がりを見せた。
吐く息も白くなるほど冷え込んだ大野練習場で、報道陣の視線を独り占めにした。囲み取材中に突然飛び出した驚きの柔軟性。佐藤柳は「『柔軟をしっかりしなさい』と両親に言われていた。ずっと継続してやっていたので、筋肉がついて体が大きくなっても、できるのかな」と涼しい顔で肩を内旋するストレッチを披露した。
肩甲骨の柔らかさに気づいたきっかけは、あの大スターだった。「小6ぐらいか、中学生ぐらいの時に。大谷翔平選手がやっていて、自分もやったらできた」。あまりにも簡単にできたため、誰でもできるものだと勘違い。後日、当時所属していたクラブチームでこのストレッチが話題となり、柔軟性が“大谷級”だと自覚した。
そこからは「柔らかさが武器」と備わっていた才能をフルに生かすため、YouTubeやSNSでトレーニング方法などを情報収集。自らの投球フォームも分析し「自分は上からたたくフォーム。肩周りや脇が硬いと腕が下がる。いい位置で投げないと痛めてしまうので、そういうのをなくすために柔軟とインナーというのをしっかり(している)」と柔らかさを維持することが、けが防止にもつながっていることを明かした。
この日の練習では、キャッチボール前にブリッジを組み込む独自の調整で柔軟性を見せつけ、早々に存在感を放つと、キャッチボールでは1球ずつ感覚を確かめるように投球。富士大時代に2学年先輩の金村(日本ハム)からキャッチボールの大事さを教わり「そういう動作一つ一つ大切になってくる。プロの世界でもそれは重要視しています」と意識の高さをのぞかせた。
締めに行われたシャトルランも軽快に駆け抜け、無事にフルメニューを消化。「いろんな方に見られてというのは初めて。緊張感もありながら、楽しくできた」と充実の表情を浮かべた。
阪神・伊藤将のような投球フォームから、球持ちのよいボールを投げ込む左腕。制球力も抜群で1年目から先発ローテ入りが期待される。「一番はケガをしないように。この期間でプロの体になることを目標にやっていきたい」。2月のキャンプインを見据え、誰にも負けない武器を最大限にアピールしていく。