広島・菊池 GG賞3年ぶり再奪取だ! 10年連続獲得も直近2年逃す「143試合『出てやるぞ』という気持ちで」
広島の菊池涼介内野手(34)が14日、静岡市のちゅ~るスタジアム清水で同僚の矢野雅哉内野手(26)、佐藤啓介内野手(23)らと行っている自主トレを公開した。2022年まで10年連続で受賞していたゴールデングラブ賞を再び奪い取ることに意欲。試合に出続けるべく、守備とともに打撃面を見つめ直し、チームを引っ張っていく姿勢を強調した。
黙々と一球一球、丁寧にゴロをさばく。シーズン中に見せる派手な動きはなくとも、流れるような身のこなしでスッと打球の正面に入る動きに無駄は一切なかった。暖かな日差しと後輩たちの視線を浴びながら白球を追った菊池は「一から若い子と一緒になって練習しようという思いでスタートした。僕も勉強しながらやりたいと思っている。楽しいですね!」と日焼けした顔をほころばせた。
代名詞の守備は絶対的な経験と実績がある。今回の自主トレでも矢野、佐藤啓に加えて、阪神・熊谷、中日・田中、樋口が弟子入りし、ヤクルト・村上も1月下旬に加わる予定。全体でノックを受ける際には次々と助言を求められる姿があった。
名手の証しであるゴールデングラブ賞は2013年から10年連続で受賞。常連となっていたが、一昨年は阪神・中野に3票差、昨年は巨人・吉川に185票差で受賞を逃した。勲章を再び手にするべく、「それは僕だけじゃなく、(試合に)出ている選手は、みんな取りたいと思ってやっていると思う。まずしっかり試合に出ることが大事。143(試合)出られる体は持っておかないと出られないし、『出てやるぞ』という気持ちで、今年しっかり取り組んでいく」と決意をみなぎらせる。
試合に出続けるためには守備だけではなく、打撃面での貢献も重要だ。昨季は打率・241、9本塁打、38打点で「打てなさすぎた」と反省する。手の痛みなどもあって、思うようなスイングができていなかった中、昨年9月にようやく納得いく感覚に巡り合ったという。現在もその感覚の維持に努めており、「(昨年)9月の感覚が良かったので、自主トレの入りはすごい良かった。『こんな感じだったな』みたいな」と充実感を漂わせた。
今年は菊池自身、「変化」を求める年。昨年12月の契約更改の席でマウンド上の投手や若手選手への声かけを増やすことを明言し、「ここ数年一歩引いていたけど、気になるところは言っていかないといけないと思った。(新井)監督の言葉も『変わる』ということだったので『俺も変わろう』という感じ」と改めて強調した。遮二無二チームをけん引した先に3年ぶりのゴールデングラブ賞も待っているはずだ。