【２０１１年８月２４日付デイリースポーツ紙面より】
　マリナーズのイチロー外野手（３７）はクリーブランドでのインディアンス戦に「１番・右翼」で出場、初回先頭打者本塁打を放ち、福本（阪急＝現オリックス）の持つプロ野球歴代１位記録の４３本に日米通算で並んだ。メジャー通算３５本目で、史上６位タイとなった。

　イチローが一回に放ったライナーは、快音とともに右翼席に飛び込んだ。プレーボールから４球目、甘く入った９０マイル（約１４５キロ）を完璧なスイングで運んだ。日米通算４３本目の初回先頭打者弾で、福本（阪急＝現オリックス）が持つプロ野球記録と同じ本数となった。

　肩を並べたのが福本の記録だと聞かされたとき、背番号５１の顔が大きく緩んだ。「福本さんを（個人的に）知らなかったら、すごく尊敬していたんですが、キャラクターが面白いんで、なかなかこう、感慨深いというふうにはならないですね」。率直な感想と笑いに、親しみがこもっていた。

　当時のプロ野球年間最多安打記録を塗り替えたオリックス時代の１９９４年のオフだった。福本がつけていた背番号「７」を打診されたことがある。そんな古巣の大先輩でも、顔を合わせれば気さくに話し合う間柄だ。

　近いうちに４４本目を打つであろう３７歳は「アメリカでやっていることですから、福本さん気にしないでください。もう（日米の記録を）一緒にしなくていいんじゃないの」と口にしたときも、笑みが絶えなかった。

　メジャーでは通算３５本目。史上６位タイとなった。並んだのはボビー・ボンズ。イチローが大リーグデビューした２００１年、７３発でシーズン最多本塁打記録を塗り替えたバリー・ボンズの父親だ。数々の記録を打ち立てているイチローが、この部門の上位にも名を連ねている。