【夏の選手権100回大会企画5】山形の高校野球

 山形県勢は1936年の第22回大会で、山形中(現山形東)が県勢として初出場した。その後は山形南や新庄北などが出場したが、13大会連続で初戦敗退が続いた。

 73年の第55回大会で日大山形が県勢として初勝利。だが、今度は3回戦までしか勝ち上がれない年が続いた。84年夏には新潟南が8強へ進出したことで、春夏を通じて甲子園で8強進出がない唯一の県となってしまった。

 85年の第67回大会では、東海大山形が2回戦で清原和博、桑田真澄(ともに元巨人)を擁するPL学園と対戦。32安打を許し、7-29という屈辱的なスコアで敗れたこともあった。

 21世紀に入ると、変化が見え始めた。2004年センバツで東海大山形が8強入りを果たすと、06年の第88回大会でも日大山形が初めて夏の“壁”を破った。3回戦・今治西戦で、延長13回までもつれた打撃戦を制し、11-10でサヨナラ勝ち。念願の8強進出を決めた。

 山形県の野球をリードしてきた日大山形は、13年の第95回大会で日大三、作新学院、明徳義塾と歴代優勝校を次々に撃破。準決勝でのちに優勝する前橋育英に1-4で敗れたが、県勢初の4強進出を果たしている。

 山形県勢は私立の活躍が目立っているが、公立校の躍進も見逃せない。14年の第96回大会では、山形中央が77年の酒田工以来37年ぶりとなる公立校としての勝利を挙げるなど、2勝して3回戦へ進出。県全体のレベルは底上げが進んでおり、今後は東北勢では唯一、春夏を通して経験できていない決勝進出を目指す。

 ◆山形の夏の甲子園での記録

【出場回数ベスト5】

1位・日大山形17回

2位・酒田南10回

3位・東海大山形6回

4位・鶴岡東5回

4位・山形東5回

4位・山形南5回

【勝利数ベスト5】

1位・日大山形12勝

2位・酒田南4勝

3位・東海大山形3勝

4位・山形中央2勝

5位・酒田工1勝

5位・鶴岡東1勝

【最高成績】

4強・日大山形(2013年)

【通算成績】

80試合

23勝57敗

勝率・288

【主な監督】

渋谷良弥…1972年から母校・日大山形を指揮して、甲子園に春夏通算14回(夏11回)出場。2002年からは青森山田で春夏通算8回出場。12年から山形商の監督を歴任し、16年夏をもって退任した。甲子園通算16勝。

滝公男…元東海大山形監督。同校を春夏通算8回(春2回、夏6回)の甲子園へ導いた。2004年夏にも東海大翔洋を甲子園に導いている。

荒木準也…2002年に日大山形の監督に就任し、06年夏に山形県勢初の夏の甲子園8強入り、13年夏には4強入り。春夏通算5回(春1回、夏4回)出場して6勝を挙げている。

 ◆デイリー独断!山形県の高校を卒業した選手のベストナイン

【先発】

米沢(現米沢興譲館)・皆川睦雄(元南海)

【中継ぎ】

上山明新館・梅津智弘(元楽天)

【抑え】

山形南・加藤武治(元日本ハム)

【捕手】

酒田南・下妻貴寛(楽天)

【一塁手】

日大山形・栗原健太(元楽天)

【二塁手】

奥村展征(ヤクルト)

【三塁手】

山形中央・青木陸(広島)

【遊撃手】

酒田南・石垣雅海(中日)

【外野手】

酒田南・長谷川勇也(ソフトバンク)、山形南・会田豊彦(元中日)、日大山形・小山田健一(元日本ハム)

(ポジションはプロでの守備位置、所属は現役の最終所属)

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