【選手権100回大会企画40】福岡の高校野球
福岡県勢は、小倉が1947年の第29回大会から夏連覇を果たすなど、過去4校が頂点に立った。夏の甲子園通算91勝は、全国12位で、九州勢ではトップ。強豪がひしめき合い、高いレベルを維持している。
65年の第47回大会では、三池工が戦後3校目の初出場初優勝。史上初の工業高校による全国制覇でもあった。
2度の劇的なサヨナラ勝ちで勝ち上がり、三井三池炭鉱の爆発事故など逆境が続いていた大牟田市を歓喜させた。
92年の第74回大会では、西日本短大付が県勢27年ぶりの優勝。エース・森尾和貴が5試合で4完封して、わずか1失点。決勝の拓大紅陵戦も1点を守り抜いた。
県勢2度の準優勝も劇的だった。
62年の第44回大会は、久留米商が第1回大会以来47年ぶりに出場。決勝は春夏連覇を狙った作新学院に敗れたが、オールドファンを盛り上げた。
88年の第70回大会では、福岡第一が準優勝した。福井商との2回戦は、4番・山之内健一(元ダイエー)が4安打を放つ活躍などもあり、延長十三回の激闘を制した。
広島商との決勝は、エース・前田幸長(元ロッテなど)が8回まで4安打無失点の好投を展開。しかし、九回2死で決勝打を浴びて1失点で敗れた。
福岡は全国屈指の激戦区だけあって、地方大会を勝ち抜いた代表校は、甲子園でも力を示している。
柳川は柳川商だった76年の第58回大会に出場し、春夏通じて甲子園初勝利を挙げている。エース・久保康生(元近鉄など)、立花義家(元西武など)を擁し、九州で無類の強さを見せていたが、2戦目の3回戦でPL学園に0-1で惜敗した。
2000年の第82回大会は8強へ進んだ。大会屈指の好投手として注目された香月良太(元巨人など)は、準々決勝で強打の智弁和歌山を相手に好投。七回まで6-2とリードしていたが、八回に2本塁打を許して同点に追い付かれた。マメをつぶし、177球を投げて延長十一回に力尽きた。
福岡大大濠は、89年の第71回大会で8強へ進出。1回戦で仁志敏久(元巨人)が3番に座る常総学院に4-1勝利。エース・木村孔士が2回戦から連続2完封し、準々決勝へ進んだ。
近年は九州国際大付の台頭が目立つ。最近10年で、県内最多5回の夏の甲子園へ出場。14~16年の福岡大会3連覇は、1961年の戸畑以来55年ぶりだった。
11年のセンバツでは準優勝し、15年の第97回大会で8強へ進出するなど甲子園でも結果を残している。
東筑は1996年の第78回大会で、大会初の女子マネジャーがベンチ入りして話題となった。
その後は低迷したが、17年の第99回大会で21年ぶりに出場。18年センバツでは2季連続の甲子園出場を果たし、伝統校が存在感を見せている。
◆福岡県勢の夏の甲子園アラカルト
【出場回数ベスト5】
1位・小倉10回
2位・柳川8回
2位・小倉工8回
4位・九州国際大付7回
5位・東筑6回
【勝利数ベスト5】
1位・小倉15勝
2位・柳川10勝
3位・西日本短大付9勝
3位・久留米商9勝
5位・小倉工8勝
【最高成績】
優勝・小倉(2回=1947年、1948年)、三池工(1965年)、西日本短大付(1992年)
【通算成績】
174試合
91勝83敗
勝率・523
【主な監督】
原貢…元三池工、東海大相模監督。原辰徳氏(元巨人)の父。三池工では65年の第47回大会で優勝。東海大相模でも春夏通算8回の甲子園へ出場し、70年の第52回大会で優勝。
若生正広…東北、九州国際大付の元監督。両校で春夏通算11回の甲子園に出場し。東北では03年の第85回大会で準優勝、九州国際大付では11年センバツで準優勝。
浜崎満重…西日本短大付、延岡学園の元監督。西日本短大付では92年の第74回大会で優勝。
稗田祐作…福岡第一の元監督。88年の第70回大会で準優勝。
◆デイリー独断!福岡の高校を卒業したプロ野球選手ベストナイン
【投手】小倉・安田猛(元ヤクルト)
【中継ぎ】沖学園・久保裕也(楽天)
【抑え】九州国際大付・加藤大輔(元楽天)
【捕手】柳川商・若菜嘉晴(元日本ハム)
【一塁手】飯塚商・小鶴誠(元広島)
【二塁手】東筑・仰木彬(元西鉄)
【三塁手】東福岡・村田修一(元巨人)
【遊撃手】柳川商・真弓明信(元阪神)
【外野手】西日本短大付・新庄剛志(元日本ハム)、筑陽学園・長野久義(巨人)、福岡第一・陽岱鋼(巨人)
【指名打者】東福岡・田中賢介(日本ハム)
(ポジションはプロでの登録守備位置、所属は現役の最終所属)