大分県勢は平成に入るまでは、大分商と津久見の２強時代が続いた。

　大分商は１９３１年の第１７回大会で県勢として初出場。３５年の第２１回大会で県勢初勝利を挙げている。

　６９年の第５１回大会は１回戦で、太田幸司（元近鉄など）を擁する三沢と熱戦を演じた。八回に２点差を追い付いたが、延長十回にサヨナラ負けを喫した。

　７９年の第６１回大会は、岡崎郁（元巨人）を中心に８強へ。春はエースだった岡崎が、夏は３番・遊撃として大会打率・４３８を記録する活躍を見せた。

　一方の津久見は、６７年センバツで県勢初の甲子園制覇を成し遂げた。

　７２年の第５４回大会は、夏では今も県勢唯一の優勝を果たしている。準々決勝・明星戦は九回にサヨナラ勝ちし、エース・水江正臣（元ヤクルト）が４安打完封。準決勝・天理戦は２点差を逆転勝ちした。決勝・柳井戦も水江が１失点完投で頂点へ導いた。

　８２年の第６４回大会３回戦は、１回戦でノーヒットノーランを達成した佐賀商・新谷博（元西武など）と対戦。八回に同点とし、延長十四回にスクイズで決勝点を奪って８強入りした。

　また、８８年の第７０回大会は、エース・川崎憲次郎（元ヤクルトなど）、１１打数８安打で大会打率・７２７を記録した古閑憲生を中心に、春夏連続の８強へ進んだ。

　平成に入ると、県勢は勢力図が変わる。大分商は平成以降の甲子園出場は春１回、夏２回。津久見は８８年夏を最後に甲子園出場がない。２強に代わり、私学勢が台頭した。

　柳ヶ浦は９４年の第７６回大会で、県勢２２年ぶりの４強進出を果たした。仙台育英との準々決勝では、四回に早々と代打で起用された梶原誉弘が、金村秀雄（現金村曉）＝元日本ハムなど＝から先制３ラン。接戦を制して勝ち上がった。

　２０００年代に入ると、明豊が甲子園で活躍を見せた。

　初出場した０１年の第８３回大会は、１回戦で聖光学院に２６安打を放って２０－０で大勝。２回戦の佐野日大戦は、１点を追う九回に逆転サヨナラ勝ち。３回戦でも習志野に競り勝って８強へ進出した。

　０９年の第９１回大会は今宮健太（ソフトバンク）が投打の柱となって８強入りした。

　１回戦は翌年に春夏連覇する興南に九回サヨナラ勝ちした。２回戦では、４番・エースの秋山巧巳（阪神）を擁する西条に４－０で快勝。３回戦でも常葉学園橘と延長十二回を戦って競り勝った。

　劇的な戦いを続けて迎えた準々決勝は、菊池雄星（西武）を擁する花巻東と対戦。今宮が最速１５４キロをマークする活躍を見せたが、九回に２点リードを追い付かれ、延長十回に競り負けた。

　０７年の第８９回大会は楊志館が、快進撃を見せた。大分大会をノーシードで勝ち上がり、勢いのまま甲子園でも２勝を挙げて８強入りした。

　大分県勢は１２年以降、代表校が５年連続で初戦敗退していたが、１７年の第９９回大会で明豊が県勢８年ぶりの８強入りを果たしている。

　◆大分県勢の夏の甲子園アラカルト

【出場回数ベスト５】

１位・大分商１５回

２位・津久見１２回

３位・柳ヶ浦８回

４位・明豊６回

５位・日田林工回

【勝利数ベスト５】

１位・津久見１６勝

２位・大分商１２勝

３位・明豊９勝

４位・柳ヶ浦７勝

５位・日田林工４勝

【最高成績】

優勝・津久見（１９７２年）

【通算成績】

１２６試合

５８勝６８敗

勝率・４６０

【主な監督】

　小嶋仁八郎…津久見の元監督。春夏通算１４回の甲子園に出場。６７年センバツ、７２年の第５４回大会で優勝に導いた。

　松田瑞雄…大分商の元監督。春夏通算５回の甲子園に出場。７０年の第５２回大会と、７４年センバツで８強へ進んだ。

　大悟法久志…柳ヶ浦、明豊の元監督。両校で春夏通算９回の甲子園に出場。柳ヶ浦では９４年の第７６回大会で４強、明豊では０９年の第９１回大会で８強へ進出した。

　◆デイリー独断！大分の高校を卒業したプロ野球選手ベストナイン

【先発】別府緑丘（現芸術緑丘）・稲尾和久（元西鉄）

【中継ぎ】大分雄城台・安藤優也（元阪神）

【抑え】津久見・高橋直樹（元巨人）

【捕手】別府大付（現明豊）・城島健司（元阪神）

【一塁手】中津工・大島康徳（元日本ハム）

【二塁手】大分商・岡崎郁（元巨人）

【三塁手】大分商・源田壮亮（西武）

【遊撃手】明豊・今宮健太（ソフトバンク）

【外野手】大分上野丘・葛城隆雄（元阪神）、大分工・内川聖一（ソフトバンク）、津久見・土谷鉄平（元オリックス）

【指名打者】佐伯鶴城・野村謙二郎（元広島）

（ポジションはプロでの登録守備位置、所属は現役の最終所属）