21世紀枠に敗れ「末代までの恥」…世間を揺るがした大騒動
2010年の選抜高校野球、第1試合で向陽(和歌山)に惜敗した開星(島根)の野々村直通監督が試合後に「末代までの恥」などの問題発言を連発し、世間を巻き込む事態に発展しました。あの大騒動を振り返ります。
公開日:2017.7.11
阪神・糸原健斗、DeNA・梶谷隆幸など、のちにプロ野球へと進む選手も指導した名将は、静かにグラウンドを去りました。
あれから7年…野々村氏、21世紀枠の是非について語る
「末代までの恥」発言から7年。現在は画家・教育評論家として活動している野々村氏が、21世紀枠の是非について語っています。
「21世紀枠をさぞかし恨んでいると思われているんですけど、僕は、03年に隠岐(島根)が出たときは大喜びでしたから。あそこは練習試合ひとつするのも大変。移動に時間もお金もかかる。震災でほとんど練習ができなかったチームとか、本当に出すべき高校に対しては大賛成。ただ、文武両道で出す、というのは、ちょっと待てよという気がするんです」
【野球】21世紀枠の是非 「末代までの恥」発言で物議を醸した野々村氏の意見は…
21世紀枠には大まかな選考基準があり、一定の成績を残した上で、隠岐のような困難克服校や、文武両道を実践しているチームが選ばれることが多い。後者は、要は進学校だ。野々村が続ける。
【野球】21世紀枠の是非 「末代までの恥」発言で物議を醸した野々村氏の意見は…
「地方の公立進学校に進む子は、親の経済力も違うし、いわばエリート。なんらマイナスはない。その上、野球でも優遇してやる必要があるんでしょうか。そういう学校は実力で出ないと」
決して許されるものではなかった発言、でも…
2010年の春、ひとりの監督が投げかけた大きな波紋。野々村氏の「末代までの恥」発言は、決して許されるものではありませんでした。それは時が流れても変わることはありません。
しかしながら今、冷静に騒動を振り返り、野々村氏の考えを聞くことで、ただ非難するだけではなく…また違ったとらえ方もできるのではないでしょうか。