横山151キロも…悔しい2回2失点
「21Uワールドカップ・優勝決定戦、日本0-9台湾」(16日、台中)
21U初代王者の夢はならなかった。台湾との決勝に臨んだ日本は0-9で完敗し、準優勝に終わった。二回1死満塁から2番手で救援した横山雄哉投手は2回を3安打2失点。ただ、阪神からドラフト1位指名された左腕は自己最速の151キロをマーク。随所に光るものを見せた。
台湾ファンが歓喜する中、横山は唇をかみ、夜空を見上げた。初の国際大会。最後に待ち受けていたのは、悔しすぎるKOだった。
「情けない。何とかしてやろうと持ったけど…。力不足だった」
二回。先発の森が先制を許し、1死満塁で3試合目のマウンドに立った。内野スタンドは台湾ファンで埋まり、1球ごとに歓声が響く。甲子園に似た異様な雰囲気にのまれた。
楊岱均の平凡な投ゴロを処理した後、本塁への悪送球で追加点を与えた。四回に失点を重ねると、1死二塁で交代を告げられ、2回2失点で降板した。
それでも爪痕は残した。二回1死満塁で王柏融への2球目。「何とかしようという思いがあった」。自己最速を一気に4キロも更新する151キロを記録した。
今大会は登板3試合10イニングで20奪三振。そのうち16三振を奪ったのが直球だ。抜群のキレは、人さし指と中指をボールの縫い目に立てる珍しい握りが生んでいる。山形中央高3年時に始めた自己流。回転数が増す握りは、日本代表の投手陣でも話題となった。
今後は直球を最大の武器にプロの舞台に挑む。「直球を普通に打たれるのは久しぶりだった。まだまだ、だと思う」。横山は国際大会での経験と悔しさを胸に、阪神でも輝きを放つ。