平沢復活!強力打線の世界一準備完了

 「U-18W杯・スーパーラウンド、日本9-0キューバ」(5日、甲子園)

 日本がキューバを完封で下し、スーパーラウンド全勝で6日の決勝に駒を進めた。阪神がドラフト上位候補に挙げる平沢大河内野手(3年)が、西谷浩一監督(45)のアドバイスで2安打3打点。ここまで打率・273とやや調子を落としていたキーマンが復調し、今大会8試合で80得点を挙げた日の丸打線が強力投手陣を擁する米国に2年前のリベンジを果たす。

 打席でのルーティンを変えた。まるで神主のように目の前でバットを振りながら構えに入った平沢。きれいに振り抜いた打球は左中間を真っ二つに破っていった。「あのアドバイスがなかったら、あそこまで飛ばなかった」。想像以上の手応えに二塁塁上でやや驚きの表情を浮かべた。

 一回だった。2死二、三塁で迎えた第1打席。カウント2-1から外角の直球を逆らわずに左中間へ流し打った。甲子園に吹く浜風ではなかったが、打球はぐんぐん伸びて左中間を真っ二つ。貴重な先制点をたたき出すと、続く三回1死一、三塁でも外角直球を流し打って三遊間を痛烈に破った。

 序盤で主導権を握るには十分すぎる3打点。ここまで打率・273と、規定打席到達者では清宮に次ぐワースト2位と苦しんでいた。この日の試合前練習中、西谷監督に「もっとバットのヘッドを意識したらどうか」と声をかけられ、神主が大麻(おおぬさ)を振るようにバットを目の前で揺らす動作を伝授した。

 「(仙台育英でも)言われてたことだったんですけど、あらためて意識した。うまくヘッドを利かすことができた」と納得の表情を浮かべた平沢。指揮官も「速球に負けて三邪飛になるシーンが多かった。そこでゴロを打つんじゃなくて、バットのヘッドを意識して」と西武・中村、日本ハム・中田ら数々の強打者を育て上げた理論が、“特効薬”となってキーマンのバットを復調させた。

 「個人的にもチームとしても9点を取って、明日の決勝戦に勢いを持って入れる」と確かな手応えを口にした平沢。2年前の前回大会では2次ラウンド、決勝と米国に連敗して苦杯をなめた。特に決勝は追い上げも及ばず1点差で敗れた。初の世界一へ-。悔し涙をのんだ1点の壁を突破する力を、役者がそろった打線は持っている。

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