マギーと阿部の日替わり4番で打線に厚み 吉川光も面白い
オフに大補強をした巨人のキャンプを視察した。目を引いたのはやはり、新戦力だな。ランチ特打をしたマギーを見たが、スイングに無駄な動きがなく、最短距離でボールを打ちにいく。ミートポイントの幅が広いよな。
楽天時代は打率・292、28本塁打、93打点か。巨人でも、相当な打率を残すのではないかという印象を持ったね。メキシコ代表でWBCに出場するクルーズも仕上がりが早いし、去年24本塁打のギャレットにも2年目の期待値がある。外国人枠の問題もあるが取材日の打撃を見る限り、マギーが4番に座り、去年復調した村田が7番あたりにいたら、打線の厚みが増して相手は嫌だろうな。
こうなると阿部をどうするんだという、うれしい悲鳴も聞こえてくる。ただ、ここ最近の阿部はコンディションの維持に苦労していたし、マギーと交互に4番・一塁で使うのも手だろう。去年、新井や松山、外国人が4番を交互に務めた広島のようなスタイルだな。こうすれば去年チームがここ一番で苦しんだ「代打の切り札」が埋まるし、阿部のコンディションもシーズンを通じて持つかもしれない。
投手陣では左腕が多くブルペンに入っていたけど、日本ハムから移籍してきた吉川光の順調ぶりが伝わってきたな。相当な球数を投げ込んでいたし、今の時点であれだけ腕を振ることができたら期待していいだろう。
ゆっくりモーションを起こして、最後に左腕で押し込むような独特な投球フォームはセ・リーグにはいない。日本ハム時代は突然イニングの途中に乱れる悪い癖があったが、移籍1年目ではまり込む期待感もある。
もうひとり、DeNAから移籍してきた山口俊は右肩違和感で3軍にいる。キャンプ初日にキャッチボールもできていないであれば、開幕は厳しいと言わざるを得ないだろう。ただ、内海も元気そうだったし、12月の手術(縦隔腫瘍摘出手術)の影響は感じなかった。先発の頭数は豊富だな。(デイリースポーツ評論家)