巨人優勝絶望的、動の采配で3位目指せ
巨人は週末のカードでDeNAに3タテを食らい、首位・広島とのゲーム差は16となった。残り70試合。優勝のふた文字を口にするのも恥ずかしいほどで、その可能性はなくなったと断言してもいいだろう。
巻き返しの手段として残るのが、クライマックスシリーズ進出だ。3位のDeNAとは6・5ゲーム差。Aクラス入りも厳しい状況だが、ここを死守する戦いに切り替える必要がある。巨人はCSが創設された07年から12球団で唯一、10年連続の出場を遂げている。これを逃せば、13連敗に続き負の歴史を作ってしまうことになる。
ここまで低迷の要因は投打ともにある。ただ、ふがいなさは攻撃陣の方が目立つ。231得点はリーグワースト。陽岱鋼が戦列に加わり、長野の状態もようやく上向いているにも関わらず、リーグ戦再開後の8試合で平均得点は2・25、全て4点以下だった。
就任2年目になる高橋監督は珍しいほどに動きの少ない指揮官だが、攻撃に流れを作り出すのもベンチの仕事だ。1日のDeNA戦(東京ドーム)、八回無死一塁で長野がヒットエンドランを成功。好機が広がり、その後の村田の3点二塁打につながった。結果的に守護神のカミネロが九回に打たれて敗戦。ただ、ああいう積極的な仕掛けが、今のチームには必要だろう。
破壊力の乏しさも、攻撃に勢いの生まれない一因だ。一発の出やすい東京ドームを本拠地にしながら、チーム本塁打数42はリーグ5位。クリーンアップを任されているマギーは打率・299、8本塁打。リーグ戦再開後の8試合は27打数3安打、打率・111と調子も落としている。2軍にいるギャレットは昨季25本塁打。外国人枠のチーム事情もあるが、ひと振りで試合の流れを変えられる助っ人の昇格も検討すべきだろう。
これ以上の後退は許されず、投手陣は菅野、マイコラス、田口、山口俊の先発4本柱を中4日や中5日でフル回転させ、浮上の流れを作らなければいけない。中継ぎが手薄ならば、シュートで内野ゴロを打たせられる大竹寛を配置転換することも手段の一つだろう。
現状、落ちるところまで落ちている。打てる策は全て打つべきだ。その姿勢が伝わらなければ、ファンは納得しないのではないか。(デイリースポーツ評論家)